最新記事
気象

現実の光景とは思えない...船が「強力な竜巻」に飲み込まれていく「恐怖の瞬間」を撮影した映像が公開される

Video Shows Tornado Smash Into Cargo Ship on Lake Erie: 'Direct Hit'

2023年6月24日(土)20時34分
アレックス・フィリップス
水上の暗雲イメージ画像

写真はイメージです Porojnicu Stelian/Shutterstock

<北米で頻発している竜巻だが、実際に上空から伸びてきた竜巻の内部に飲み込まれていくリアルな光景が撮影された>

北米五大湖の一つであるエリー湖で、コンテナバージ(コンテナ専用の貨物運搬船)が竜巻の直撃を受ける様子を船内から撮影した「恐怖映像」が、ソーシャルメディア上で拡散されている。そこには、渦を巻く雲や、猛烈な風と波、船体を激しく打つ雹と、専門家も驚くほどの「現実離れした」光景が捉えられていた。

■【動画】気象学者も「信じられない」...接近してきた竜巻に船が直撃される「恐怖映像」

この動画はニコール・ウィラードという人物が、最初にTikTokに投稿したものだ。撮影したのは彼女の夫で港湾作業員のアンドレだ。動画には、上空から伸びてきた竜巻が湖面に到達し、巻き込まれた貨物運搬船が桟橋と衝突しそうになる様子が映っている。さらに操縦室の窓からは、雹が船に打ちつけている様子も見て取れる。

地元ニュース放送局WTOLの気象学者クリス・ビッカーズが6月20日の午後にこの動画をツイッターに投稿すると、翌21日の米東部時間午前7時45分までには動画の視聴回数が36万回以上にのぼった。ビッカーズはこの動画について、「竜巻の直撃」を撮影した「信じられないような」映像だと述べた。

オハイオ州北部では15日に複数の竜巻が発生。米国立気象局によれば、この日だけで9つの竜巻が発生したが、怪我人はいなかった。米中部と南部の州では5月にも、同じような気象パターンがみられた。竜巻のシーズンは通常5月から7月だが、一般に南部で早い時期に竜巻が発生し、シーズン終盤に向けて北部に移っていく。

上空で渦を巻き始める黒い雲、そして...

今回注目を集めた動画(再生速度を速くしてある)は、上空で黒い雲の塊ができ、渦を巻き始める様子を操縦室の窓から撮影した場面から始まる。雲の塊が湖の上に差し掛かると湖面では雲に向かって吹く猛烈な風に水が飛ばされ、その後ついに竜巻は湖面に到達する。

乗組員の一人が「なんだって!」と叫ぶ声が聞こえてくる。風で飛ばされたがれきや水しぶきが窓を打つなか、ラジオの音が聞こえ、その後カメラを持った人物がかがんだ様子が見て取れる。

最悪の状況が過ぎ去ると、貨物運搬船は右側面から波に打たれ、桟橋に危険なほど接近している。さらに船全体が雹に打たれる音が聞こえている。

本誌はこの件についてアンドレ・ウィラードにメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:保護政策で生産力と競争力低下、ブラジル自

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 7
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 10
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中