現実の光景とは思えない...船が「強力な竜巻」に飲み込まれていく「恐怖の瞬間」を撮影した映像が公開される
Video Shows Tornado Smash Into Cargo Ship on Lake Erie: 'Direct Hit'
写真はイメージです Porojnicu Stelian/Shutterstock
<北米で頻発している竜巻だが、実際に上空から伸びてきた竜巻の内部に飲み込まれていくリアルな光景が撮影された>
北米五大湖の一つであるエリー湖で、コンテナバージ(コンテナ専用の貨物運搬船)が竜巻の直撃を受ける様子を船内から撮影した「恐怖映像」が、ソーシャルメディア上で拡散されている。そこには、渦を巻く雲や、猛烈な風と波、船体を激しく打つ雹と、専門家も驚くほどの「現実離れした」光景が捉えられていた。
■【動画】気象学者も「信じられない」...接近してきた竜巻に船が直撃される「恐怖映像」
この動画はニコール・ウィラードという人物が、最初にTikTokに投稿したものだ。撮影したのは彼女の夫で港湾作業員のアンドレだ。動画には、上空から伸びてきた竜巻が湖面に到達し、巻き込まれた貨物運搬船が桟橋と衝突しそうになる様子が映っている。さらに操縦室の窓からは、雹が船に打ちつけている様子も見て取れる。
地元ニュース放送局WTOLの気象学者クリス・ビッカーズが6月20日の午後にこの動画をツイッターに投稿すると、翌21日の米東部時間午前7時45分までには動画の視聴回数が36万回以上にのぼった。ビッカーズはこの動画について、「竜巻の直撃」を撮影した「信じられないような」映像だと述べた。
オハイオ州北部では15日に複数の竜巻が発生。米国立気象局によれば、この日だけで9つの竜巻が発生したが、怪我人はいなかった。米中部と南部の州では5月にも、同じような気象パターンがみられた。竜巻のシーズンは通常5月から7月だが、一般に南部で早い時期に竜巻が発生し、シーズン終盤に向けて北部に移っていく。
上空で渦を巻き始める黒い雲、そして...
今回注目を集めた動画(再生速度を速くしてある)は、上空で黒い雲の塊ができ、渦を巻き始める様子を操縦室の窓から撮影した場面から始まる。雲の塊が湖の上に差し掛かると湖面では雲に向かって吹く猛烈な風に水が飛ばされ、その後ついに竜巻は湖面に到達する。
乗組員の一人が「なんだって!」と叫ぶ声が聞こえてくる。風で飛ばされたがれきや水しぶきが窓を打つなか、ラジオの音が聞こえ、その後カメラを持った人物がかがんだ様子が見て取れる。
最悪の状況が過ぎ去ると、貨物運搬船は右側面から波に打たれ、桟橋に危険なほど接近している。さらに船全体が雹に打たれる音が聞こえている。
本誌はこの件についてアンドレ・ウィラードにメールでコメントを求めたが、返答はなかった。