「世界を変える」2024年米大統領選...勝者は誰か?
THE WINNER OF 2024
REUTERS/Brian Snyder
<相次ぐ共和党候補の出馬表明、バイデンの再選を阻むのはトランプかデサンティスか、それとも......?>
ドナルド・トランプがアメリカ史上2人目の「非連続2期当選」を果たす大統領になる可能性は高い──去る5月7日、米ABCニュースはそんな調査結果を発表した(ちなみに1人目は19世紀末のグローバー・クリーブランドだ)。
その調査では、2024年にトランプに投票すると答えた人がジョー・バイデンを6ポイントも上回っていた。また健康状態と明晰さの点で、80歳の現職バイデンは前職トランプ(この6月14日で77歳になる)に及ばないとみる有権者が多かったという。これは痛い。
この時期の世論調査に一喜一憂しても始まらないが、民主党支持者にとっては悪夢だ。そもそも、バイデンが選挙人の数で勝つには一般投票でトランプに4ポイント以上の差を付ける必要がある。もしも選挙が今日行われたら、トランプの圧勝だ。
連邦議会議事堂への襲撃をけしかけ、性的暴行で訴えられた裁判では損害賠償を命じられ、事業記録の改ざんや機密文書の持ち出しなどで数々の起訴を免れようとしている人物よりも現職大統領の支持率が低いというのは、あり得ない話だ。
また、トランプのようなポピュリストは事前の世論調査より本番の選挙に強い。先のトルコ大統領選で再選を果たしたレジェップ・タイップ・エルドアンの戦いぶりを見れば分かる。かつてない高インフレや多数の死者を出した大地震に見舞われ、汚職が蔓延し、野党が統一候補を立てて選挙戦に臨むなか、選挙前にエルドアンの勝利を予想した世論調査は皆無に等しかった。ちなみにトランプは2016年も20年も大敗を予想されていたが、16年の大統領選では選挙人の数で勝利を手にした。20年には負けたが、僅差だった。
ちなみに筆者は、世論調査よりブックメーカーの予想を信用する。なにしろ金銭が懸かっているから、彼らは世論調査の数字に隠れたバイアスを修正してくる。そして現時点で、ブックメーカーの予想ではバイデン勝利の確率が36%、トランプが26%、共和党から出馬を表明したフロリダ州知事のロン・デサンティスが17%となっている。またトランプが共和党の候補指名を獲得する確率は56%、デサンティスは26%とされる。
興味深いことに、バイデンは民主党から出馬を表明した唯一まっとうな候補者でありながら(ほかに出馬表明しているジョン・F・ケネディ元大統領の甥で弁護士のロバート・ケネディJr.は陰謀論者で反ワクチン派だ)、民主党の候補指名を獲得する確率は70%程度とされている。
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