ダム決壊で遠のいた?ウクライナの反転攻勢と復興への希望
The Worrying Impact of Kakhovka Dam's Destruction
ウクライナのアンドリー・イェルマク大統領補佐官は、へルソン南部とクリミアの人々にとって「飲料水が失われる可能性」と「一部の集落や生物圏の破壊の可能性」について警告した。
ウクライナの国営原子力発電会社エネルゴアトムは、カホフカ貯水池の水位低下が、池の水を冷却水に使用しているザポリージャ原子力発電所に影響を与える可能性があることを認めた。だが同社は、水位は今のところ発電所の安全性を確保するのに十分だと発表している。
放射エネルギーファンドの創設者で、原子力に関するアドバイザーを務めるマーク・ネルソンは、冷却池の水位低下は極めてゆっくりと起きるため、状況を安定させるための時間は十分にある、と本誌に語った。
「これは、数カ月単位で測るべき問題であり、原子炉への影響はさまざまだ。ゼロかもしれないし、原子炉容器の損傷やプラント自体の消失に至るかもしれないが、直ちに起こるわけではない」と、ネルソンは語った。
ただし、原子炉容器が損傷すれば、戦争終結後、タイムリーに再稼働することは難しくなるだろうと彼は言う。
「一番いいのは、発電所への水の供給を手配することだ。そうすれば、カホフカ貯水池の水位が極端に低下して、送電網が機能しなくなった場合でも、現場でポンプを使わなくてすむ」
ただし、現在この原子力発電所を管理しているのはロシア側で、どうするかは「ロシアの出方次第になる」とネルソンは付け加えた。