プーチンはもうロシア軍の惨状を知らされていない!?
Putin's Advisers Have Stopped Giving Him Bad News, Says Report
プーチン(右)がそばに置くのはイエスマンだけ(左奥はロシアのショイグ国防相、手前は中国の李尚福国防相)(4月16日、クレムリン) Sputnik/Pavel Bednyakov/REUTERS
<プーチンは引きこもり状態で、ウクライナ侵攻について悪いニュースを伝えた者は「西側のプロパガンダ」に毒されていると左遷される。ロシア軍の敗色を知らないのなら、和平交渉に応じるはずもない>
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻がうまくいっていないことに関して本当の情報を知らされていない。側近たちが、プーチンを怒らせるのが怖くて伝えていないからだ、という情報が流れている。
この告発を行ったのは、テレグラムチャンネル「VChK-OGPU」だ。プロフィール欄には、ロシアの「官僚、オリガルヒ(新興財閥)、ならずものの秘密」を暴露することが使命、とある。
同チャンネルは6月4日付の投稿で情報筋の話を引用し、「この戦争に関する悪い知らせ」はプーチンに報告されていないと伝えている。悪い知らせは同大統領を「激しくいらだたせる」からだという。
プーチンに悪いニュースを伝えた者は「西側のプロパガンダ」に毒されていると叱責される。良いニュースを伝える者だけが、プーチンに「常時面会」できる地位を維持しているという。
こんなプーチンのためになぜ死ねるのか
だから周囲の者たちは悪いニュースを知らせなくなったという。この投稿は、ウクライナの複数報道機関に取り上げられた。
ベラルーシの反政府メディア、ネクスタ(現在はポーランドで活動中)に、以下のようなコメント付きでこの投稿を取り上げた。「戦争について悪い知らせを聞きたくないプーチンが、真実から隔絶された状態にあるというのは前から知られたことだ」「しかしそれより興味深いのは、現実から切り離されてまともな判断能力もない老人によって多くのロシア人が死地に送り出されているというのに、誰も気にしていないらしいということだ」
プーチンがウクライナ侵攻の前線で何が起きているのかについてありのままを知らされていないことを指摘する報道は、今回が初めてではない。
2023年3月にはAP通信が、アメリカ情報機関の複数の関係者の話として、プーチンはロシア軍の惨状に関して周囲から誤った情報を伝えられていると報じた。
同じく3月には、アメリカのジョー・バイデン大統領が、プーチンは「引きこもり状態にあるようだ」と述べ、「自身の顧問の一部を解任、あるいは自宅軟禁状態に置いた」ことを示唆する動きがあると語った。
ホワイトハウスの広報部長を務めていたケイト・ベディングフィールドは2022年3月、プーチンは「ロシア軍に欺かれていると感じており」、これが「プーチンと軍幹部との間に緊張を引き起こしている」という情報をアメリカは得ていると述べた。