「お尋ね者プーチン」が旅行できる国は、まだいっぱい
シベリアでバカンス中のプーチン大統領(2021年) Sputnik Photo Agency-REUTERS
<国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているプーチンだが、実は旅行できる国がたくさんある。敵対している、あの国も...>
国際刑事裁判所(ICC)が3月中旬、戦争犯罪容疑でロシアのウラジーミル・プーチン大統領に逮捕状を出したことで、理論的にはプーチンは世界の3分の2から孤立する。
ただ、彼が自由に旅行できる国はまだ多いようだ。
逮捕権限はICC加盟国内でしか行使できず、ロシアは非加盟国であるため、プーチンがICCに直ちに引き渡されることはあり得ない。ただ、国際会議出席などを含む外国訪問はかなり制限される。
今後、123のICC加盟国はプーチンを拘束し、オランダ・ハーグの裁判所に移送する義務を負う。ところが、193の国連加盟国のうち70カ国がICCに加盟していない。
中国やインドといった大国のほか、イスラエルやイランなど中東諸国、アゼルバイジャンやベラルーシなどの旧ソ連圏や、アフリカの数カ国も非加盟あるいは未批准だ。
実はアメリカとウクライナも未批准国。そのアメリカではジョン・ボルトン元大統領補佐官が、逮捕状は「外交的解決の妨げになるだけ」であり、「ICCに正統性はなくアメリカは協力すべきではない」と主張している。
プーチンはアメリカにもウクライナにも旅行しようとは思わないだろうが。