米債務上限協議、合意に至らず バイデンはデフォルト否定、イエレン財務長官「可能性極めて高い」

バイデン米大統領(写真右)は5月22日、債務上限問題を巡ってマッカーシー下院議長(左)と「生産的な」会談を終えたとする声明を出した。ホワイトハウスで撮影(2023年 ロイター/Leah Millis)
バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長は22日、債務上限問題を巡り約1時間協議したが、合意には至らなかった。双方とも協議を継続する意向を示した。政府の支払いが滞ると財務省が警告する6月1日まで10日ほどしか残っておらず、デフォルト(債務不履行)の危機が迫る。
バイデン氏は声明で「デフォルトが選択肢になく、超党派合意を誠意をもって目指すことが唯一の道筋という点を再確認した」とし「生産的な」会談だったと述べた。
マッカーシー氏も協議が「生産的」だったと述べ、合意点を見い出すために事務方の交渉が「夜通し」で行われるとの見通しを示した。「合意はなお達成できると考えている」とした。
自身とバイデン氏は毎日協議する見込みだと語った。ただ、富裕層の増税や石油・製薬業界の税の抜け穴をふさぐことで財政赤字の削減を図るというバイデン氏の提案を検討する考えはないとした。
バイデン氏は協議前に何らかの進展があると「楽観」していると語っていた。それぞれの有権者に「売り込む」ためには超党派の合意が必要だとし、まだ見解の相違があると述べた。
イエレン財務長官は22日、議会に書簡を送り、債務上限が引き上げられなければ6月1日にも政府の支払いが滞る「可能性が極めて高い」という認識を改めて示した。
バイデン氏とマッカーシー氏が合意にこぎ着けても、議会で関連法案を可決するのに数日を要するとみられる。マッカーシー氏はデフォルトを回避できるタイミングで法案を成立させるには、週内に合意をまとめる必要があると述べた。
債務上限を引き上げる条件として、マッカーシー氏は歳出削減を要求。ホワイトハウスの当局者にょると、共和党側は先週、低所得層への食料援助プログラムを対象に支出を追加で削減することを提案した。
バイデン氏はツイッターへの投稿で、石油業界への大型補助金や富裕層の節税を認めながら多数の国民の医療保険や食料援助を削減のリスクにさらすような提案は支持しないと表明した。
