最新記事
ロシア

プリゴジンはプーチン史上最大の裏切り者?──ウクライナにバフムトを売ろうとしたと米紙が暴露

Has Putin suffered his biggest betrayal yet?

2023年5月16日(火)14時36分
ブレンダン・コール

非政府組織「インスティテュート・フォー・ヨーロピアン・インテグリティ」の上級調査研究員オルガ・ロートマンは、「これが事実かどうかに関係なく、プリゴジンに残された日々がこれまでよりもずっと短くなったのは確かだ」と述べた。「彼は(戦闘で負け続けた)昨秋から既に死んだも同然だった。今後、彼が亡命するかどうかが興味深いところだ」

ウクライナメディア「ニュー・ボイス・オブ・ウクライナ」に寄稿しているジャーナリストのユアン・マクドナルドは、次のようにツイートした。「プリゴジンに関するこの情報リークの最も重要なところは、今や彼が反逆者のように見えることだ。国家に対する反逆行為は、プーチンが何より嫌うところだ」

米シンクタンク「外交政策研究所」で政治リスクの分析を行っているアンドラス・トスジフラはツイッターにこう投稿した。「かなり割り引いて聞いたとしても、まったくのでたらめには聞こえない。プリゴジンはよほど自らの有用性をアピールし続ける必要があるだろう」

プーチンは知っていた?

英シンクタンク「王立統合軍事研究所」のアソシエートフェローであるサムエル・ラマニは、プリゴジン「反逆」の情報をめぐって関係者は「興奮状態」だが、「額面どおりに受け取ってはいけない」とツイートした。

「戦時において交戦中の当事者同士が連絡を取り合うことについては、前例がない訳ではない」と書き込み、さらにこう続けた。「それにプリゴジンの脱線にはいつも、皮肉が込められている」

さらに彼は、ウクライナと西側の情報当局はプリゴジンの申し出が「誠実なものではなかった可能性」があると考えており、ウクライナの情報当局は、「プリゴジンがバフムトを売ろうと持ちかけたことはロシア大統領府も知っていることに気づいていた」ともつけ加えた。

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中