最新記事

英王室

いまだにチャールズ国王夫妻を許せないダイアナ派の恨み

Princess Diana fans voice fury ahead of King Charles' coronation

2023年5月9日(火)17時36分
ジャック・ロイストン

王室メンバーのパレードを待つ観衆の一人が掲げたダイアナの旗 SEBASTIEN BOZON/REUTERS

<死去から26年が経っても消えないチャールズの裏切りとカミラ「王妃」への反発>

英国王チャールズ3世とカミラ王妃は5月6日、故ダイアナ元妃の影がつきまとう波乱の結婚から約18年を経て、ようやく戴冠式を迎えた。

2005年にチャールズとカミラが再婚した時、バッキンガム宮殿はカミラの称号について、将来は「国王夫人」と呼ばれることになり、「王妃(クイーン)」の称号が与えられることはないと発表していた。この8年前に亡くなったダイアナへの配慮だった。

だがダイアナが1997年8月にパリで起きた交通事故で死去してから26年近くが経過した今、全ての留保は削除され、チャールズとカミラはそれぞれ「国王」と「王妃」として戴冠式を迎えた。

多くの英王室ファンにとってこれは、ずっと愛し合ってきた2人がようやくハッピーエンドを迎えた瞬間だった。

だが他の人々は、二人の背後にダイアナの大きな影を感じずにはいられなかった。そのきっかけは、BBCの元王室担当記者であるジェニー・ボンドのある発言だった。

ボンドは戴冠式に先立ち、英スカイ・ニュースの番組に出演。その中で、ダイアナは生前、チャールズと不倫関係にある間、カミラは少なくとも身のほどをわきまえていた、その点は評価できると感じていた、と発言した。

「裏切りを祝う戴冠式」

「以前ダイアナの客間で話をしたときに、カミラについて話をしたことがあった」と彼女は言った。「カミラは誠実で思慮深い。その点では幾らか評価に値すると、ダイアナは考えていた。カミラは6日の戴冠式でその褒美を受けることになる」

おそらくカミラを褒めようとしたこの発言は、ソーシャルメディアを激怒させた。

女性の権利保護活動家のショーラ・モスショグバミムはツイッターにこう投稿した。「ジェニー・ボンドはダイアナが、チャールズの『誠実で思慮深い』不倫相手として、カミラは評価に値すると考えていたというぞっとする主張を展開した。ダイアナはもう死去しており、それを否定することも肯定することもできない。だからこの発言は、常軌を逸した根拠のない嘘だと考えてもいいだろう」

さらに、「カミラを危険な存在だと見なしたヘンリー王子は正しかった」と付け加えた。

家庭内暴力(DV)のサバイバーで活動家のレベッカ・ボイントンは、ツイッターにこう書き込んだ。「今回の戴冠式は、裏切られた女性のトラウマを祝う儀式のように感じられる。自分も裏切られたトラウマを抱える人の多くにとって、チャールズとカミラを祝うことは不可能だ。もしもあなたもその一人なら、戴冠式の週末は自分を大切にして、ダイアナを思って過ごそう」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GM、コロンビアとエクアドルで工場閉鎖 次世代車

ビジネス

ドル円が急上昇、一時160円台 34年ぶり高値更新

ワールド

米国務長官、29日からサウジ・イスラエルなど訪問 

ビジネス

マスク氏が訪中、テスラ自動運転機能導入へ当局者と協
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中