日本も参考にできる!? コンドーム禁止から大学入試改革まで、中国「少子化対策」の仰天アイデア
一人っ子政策は終わり、3人目解禁となったが「一人っ子実態」のまま KIM KYUNG HOONーREUTERS
<一人っ子政策は終わり、既に3人目出産も解禁されているが、合計特殊出生率は日本以下。そんな国で飛び出した政策提案とは>
中国の少子化が止まらない。昨年の出生数は956万人と建国以来初となる1000万台割れ。5年前から約800万人減と急落している。
中国共産党は2021年、3人目出産を完全解禁する歴史的転換に踏み切った。出産への一時金支給、シングルマザーの待遇改善など出産奨励策が導入されつつある。
とはいえ、中国の合計特殊出生率は既に1.1~1.2(昨年推計)と日本以下だ。生半可な対策では状況は変わらない。
そこで取り沙汰されるのが、産めよ増やせよ的珍アイデアだ。
人口学者としても著名な、大手旅行予約サイト・トリップドットコム創業者の梁建章(リアン・コンチャン=ジェームズ・リャン)は義務教育を9年から7年に短縮する策を提唱した。早く社会に出れば、その分早く結婚するはずで、若く結婚すればするほど子供が増えるはずという理屈だ。学力低下が気になるところだが、「中国人の学力は世界トップだから問題なし」と懸念を一蹴する。
もっとストレートな提案が避妊禁止である。香港の不動産企業・中原集団の施永青(シー・ヨンチン)主席は「出生の責任を果たすまで、例えば2人の子供をつくるまではコンドームを買えないという規制を検討せよ」と主張した。
【動画】大学キャンパスに設置され、物議をかもしたコンドーム自動販売機
一人っ子政策下の中国では大学キャンパスにコンドーム自動販売機を設置し、ホテルの部屋には必ずコンドームを用意と避妊全力推進モードだったのを、許可証がないとコンドームが買えない真逆の世界にしようとしている。もし実現すれば、コンドームのブラックマーケットができることは間違いなさそうだ。
一番、中国人をびびらせている提案が「2人目以降の子供は大学入試で加点」だ。中国人民大学の金燦栄(チン・ツアンロン)教授は「2人目にプラス20点、3人目に50点、4人目は無試験で名門大学に合格でどうだ!」と発言。無試験合格はさすがに過激だが、2人目、3人目の入試加点は複数の論者から提案されている。
子供の教育は中国人にとって最大の関心事の1つ。万が一、この政策が導入されれば出産爆増は間違いないというわけ。
果たして、習近平(シー・チンピン)国家主席はどのような革命的対策をひねり出すのか、要注目だ。