ロシアに大規模攻撃の余力はない──ウクライナ軍情報トップ
Russia Has 'No Potential' for Large Offensive: Ukraine Intelligence Chief
これから前線に行くロシア兵たち(2月19日、ロストフ・ナ・ドゥ) Sergey Pivovarov-REUTERS
<ウクライナの反転攻勢は今成功させなければ、二度目のチャンスはない>
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ウクライナ軍の情報トップが、ロシアには「ウクライナ領内で再度の大型攻勢を試みる」力は残っていないとの見方を示した。
米ヤフーニュースは6日、ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報局長のインタビュー記事を公開した(取材日は4月24日)。この中でブダノフは「今日の時点で、ロシアには軍事的にも経済的にも政治的にも、ウクライナ国内のどこであれ、再度の大型攻勢を試みる力はない」と述べた。
ブダノフに言わせれば、ロシアのミサイルの在庫は枯渇しつつある。それでもロシアには今も「大規模な防衛戦を行う能力は十分にある」という。
「これこそが、われわれが直面しようとしている問題だ」とブダノフは述べた。「ロシアは(ミサイルの)在庫をまとめて、ウクライナの攻勢を防ぐためにそれを配備しようとしている。だが実際のところ、すでに在庫はゼロに近いのだが」
ウクライナはこの春にロシア軍に対する反転攻勢に出ると見られている。だが今後の軍事戦略に関し、ウクライナ政府の口は固い。
アメリカのシンクタンク、戦争研究所は6日、ウクライナの反転攻勢を前に、ロシアはウクライナ各地で「防衛戦」を戦うため、兵站などの検討に力を注いでいるようだと指摘した。
反攻を世界が「過大評価」?
反攻がどんな形になるかは分かっていないが、ウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相は4月末に、「準備はまもなく終わる。兵器や軍の装備品に加え、兵士たちにその使い方の訓練を施す必要がある」
レズニコフはメディアに対し「われわれは(西側諸国から)最新鋭のシステムを受領した」と述べた。
5月初め、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジンは、「ウクライナ軍の前進はすでに始まっている」との考えを述べた。
ロイターによればプリゴジンは「非常に近い将来、(戦況は)活動期に入ると考えている。それは数日後のことかもしれない」と述べた。
ウクライナ政府は以前から、ロシアに占領された地域(2014年に併合されたクリミア半島を含む)の奪還に努めているとしてきた。
だがチェコのペトル・パベル大統領は英紙ガーディアンに対し6日、ウクライナ政府は「作戦を成功させるのに必要なものがまだそろっていないと感じている」との見方を伝えた。
パベルはこうも述べた。「もし反攻が失敗すれば、ウクライナにとっては大きな痛手となるだろう。なぜなら少なくとも年内は、チャンスは2度とないからだ」
「われわれの反攻作戦の見通しは世界で過大評価されている」とレズニコフは述べたと、6日のワシントン・ポストは伝えている。
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