最新記事
プーチン

プーチンが夜遅く、突如クレムリンに急行...噴出する陰謀論、その内容は?

Putin's Midnight Rush to the Kremlin Sparks Wave of Conspiracy Theories

2023年4月28日(金)20時30分
イザベル・バン・ブリューゲン
ウラジーミル・プーチン大統領

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領 Asatur Yesayants-Shutterstock

<ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問などがツイッターに動画投稿>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が4月26日夜遅く、クレムリン(大統領府や大統領官邸などがある、首都モスクワの宮殿)に入ったことで、陰謀論が沸き起こっている。

【動画】夜遅く、突如クレムリンに急行するプーチン...憶測を呼ぶ映像

ツイッターで拡散された根拠のない主張の一つが、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領が、ロシア高官との会談後に心臓発作を起こし、危篤状態に陥っているというものだ。

ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問を含むツイッターユーザーが、プーチンがモスクワのクレムリンに急行する様子を映したとされる5秒間の動画を共有した。

ウクライナ戦争の地図情報を毎日更新しているウォー・マッパーというアカウントは、こうツイートした。「約10分前、プーチンがクレムリンに急行した。エルドアンの健康状態に関係しているという噂がある。個人的には懐疑的だが」

トルコ政府はツイッターで、「根拠のない」主張だ、と即座に否定した。

エルドアンは25日、テレビインタビューの生放送中に体調を崩した。そして翌26日、「医師の助言に従い、自宅で休養する」と述べ、27日までの公務をキャンセルした。

エルドアンは27日、同国南海岸のメルシンに建設されたトルコ初の原子力発電所の落成式に出席し、演説を行うことになっていた。この原発は、ロシアの国営原子力企業ロスアトムが建設したものだ。

ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は27日、報道陣に対して、エルドアンとプーチンは落成式にバーチャル参加する予定だと語った。ペスコフはさらに、ロシア政府はエルドアンの健康問題を認識していないと明言した。

ペスコフは記者会見で、「私たちはこれらの『問題』について何も知らない」と述べた。

ロシア国営のタス通信によれば、プーチンとエルドアンは27日、電話会談を行っている。プーチンがクレムリンに急行したことは、何かの「異常」を示唆しているのではないかと推測する者もいた。

あるツイッターユーザーは、「プーチンがクレムリンに急行した理由も、ロシアメディアによってクローズアップされている。異常なことが起きているようだ」と書いている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中