最新記事
トラベル

イルカやクジラより珍しい動物も... 東京の離島が「宝島」と言える理由

2023年4月14日(金)11時30分
※TOKYO UPDATESより転載
父島

世界自然遺産に登録された小笠原諸島の一つ父島。小笠原諸島は英語でBonin Islands。透明度抜群の紺碧の海はボニンブルーとよばれる Photo: courtesy of TOKYO ISLANDS BOX

<東京都の南端、太平洋上には個性あふれる11の有人離島が点在する。自然にグルメにアクティビティに楽しみが尽きない島々は「東京宝島」とよばれている。東京の離島、そして島旅の魅力を紹介しよう>

イルカやクジラよりレアな動物たちと邂逅

11の島は北から、大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島、父島、母島だ。それぞれの島は独自の自然や風土、歴史や文化を誇る。

たとえば東京中心部から1000キロメートル離れた父島は、亜熱帯で独特の生態系を育んできた。幻想的な夜光タケのグリーンペペ、独自の進化を遂げたオガサワラオオコウモリ、国の天然記念物にも指定されているアカガシラカラスバトなど珍しい動植物が生息するだけでなく、海沿いを散策中にウミガメの産卵に遭遇することもあるとか。

小笠原パッションフルーツ、島レモン、カカオ、日本で初めて栽培に成功したコーヒー豆などの農産物も魅力だ。島で栽培したコーヒー豆を使った島コーヒーや小笠原産パッションフルーツリキュールを使ったカクテルを賞味したい。

ボニンブルーの海には、絶景のダイビングポイントが広がる。日本ではここでしか出会えない生き物が多く、シロワニやジンベイザメの目撃情報も。ホエールウォッチングやドルフィンウォッチングは通年で開催。小笠原ネイチャーガイドの竹澤博隆氏は、「1月から4月はクジラの遭遇率100%です」と胸を張る。交通手段は週に1便の定期船のみで、東京都港区の竹芝ふ頭から片道約24時間というアクセスにもかかわらず「リピーターが多い」(竹澤氏)というのも納得の"宝"でいっぱいの島だ。

tokyoupdates230412_2.jpg

1月28日、29日に表参道ヒルズ(東京都)で開催されたイベント「TOKYO ISLANDS BOX」のオープニングセレモニーで小池百合子都知事は、「東京の島々には、それぞれ独特の魅力があります」と訴えた

あらゆる場所が夕焼けスポット

11の島のなかで唯一羽田空港から約55分の直行便で訪れることができるのは八丈島だ。「空港に降りた途端、空気の密度の濃さを感じます」と話すのは、ネイチャーヨガセラピストで八丈島在住の玉井由木子氏。豊かな原生林に覆われた生命力が旺盛な島なのだ。

島内には展望台が随所にある。「新東京百景」にも選定されている標高400メートルの登龍峠展望台は、雄大な八丈富士と海に浮かぶ八丈小島、晴れていれば御蔵島や三宅島が見えることもあり、朝日や夕日の眺めも格別だ。ほかにも名古の展望台や大坂トンネル展望台、八丈小島展望台など異なる角度から眺める島の光景に圧倒される。

tokyoupdates230412_3.jpg

夕日の絶景ポイントとしても知られる八丈島の大坂トンネル展望台。「TOKYO ISLANDS BOX」では各島の絶景をVRシアターで紹介していた Photo: courtesy of TOKYO ISLANDS BOX

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ブラジル上院、ルラ政権による歳出削減計画関連の最終

ビジネス

CFPBが米大手3行提訴、送金アプリ詐欺で対応怠る

ワールド

トランプ氏、TikTokの米事業継続を「少しの間」

ワールド

ガザ北部の病院、イスラエル軍による退去命令実行は「
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 5
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 6
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 7
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…
  • 10
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中