米銃乱射の容疑者はトランスジェンダー、なのにドラァグクィーンが同情を集める訳
Tennessee Republicans' Ban on Drag Shows Mocked After Mass Shooting
未成年の前での興行を禁止される前にドラァグショーを楽しむ客たち(3月26日、テネシー州メンフィス) Karen Pulfer Focht-REUTERS
<悲劇が繰り返されたテネシー州で、子どもにとって本当に危険なのは性的マイノリティーか銃かという因縁の論争に火が付いた>
3月27日にテネシー州ナッシュビルの私立学校で起きた銃乱射事件で、3人の子ども(全員9歳)と3人の職員が死亡した。これを受けて、同州の共和党議員たちが非難を浴びている。
事件後、容疑者がトランスジェンダーだった、という報道と警察発表があると、多くのツイッターユーザーがテネシー州の共和党議員を激しく非難し、ドラァグクイーン(派手なメイクと「女装」でショーをするゲイ)たちに共感を寄せた。
トランスジェンダーが銃乱射事件を起こした後にいったいなぜか。テネシー州上院は3月、共和党の基本方針に従って、公共の場や子どもの近くでドラァグショーを行うことを禁止する法案を可決した。性的マイノリティーに対する制限はそれだけではない。4月1日からは、学校や公園、礼拝所の周辺でドラァグショーを行うことができなくなる。また、トランスジェンダーの未成年がテネシー州でホルモン剤の処方や手術など、性同一性障害の治療を受けることを禁止する法案も可決された。
一方、テネシー州では依然として、殺傷力の高いアサルト・ウェポンは合法だ。
銃乱射の現場となったのは、ナッシュビルにあるキリスト教系の私立学校「コベナント・スクール」。容疑者は、現場で警官に射殺されたが、警察の発表によると、少なくとも2丁のアサルト・ライフルと1丁の拳銃で武装していたとされている。この悲劇の一報が伝えられた後、ジョー・バイデン米大統領は、全米規模でアサルト・ウェポンを禁止するよう連邦議会に要請した。アサルト・ウェポンはいくつかの州ですでに禁止されているが、テネシー州では禁止されていない。
MSNBCのエグゼクティブ・プロデューサー、カイル・グリフィンは27日午後、「2023年のテネシー州共和党:ドラァグショーを禁止」とツイート。その一方で「州内における銃へのアクセスは大幅に拡大する動き。銃の所持が可能な年齢を、21歳から18歳に引き下げる法案を含む」
Tennessee Republicans in 2023:
— Kyle Griffin (@kylegriffin1) March 27, 2023
Banned drag shows
Moved to significantly expand access to guns in the state via a series of bills -- including one which would lower the carry age from 21 to 18
「(また銃乱射事件)。だがテネシー州で禁止されるのは(銃ではなく)、ドラァグショーや性同一性障害の治療だ」。活動家でテレビ司会者のパドマ・ラクシュミは、そうツイートしている。
But drag shows and gender affirming healthcare are what get banned in Tennessee. https://t.co/pf3EPOKq9n
— Padma Lakshmi (@PadmaLakshmi) March 27, 2023