ソロモン諸島、首都港湾改修を中国企業に発注 中国海軍の拠点化を否定
南太平洋のソロモン諸島政府は、アジア開発銀行(ADP)の資金援助により首都ホニアラの国際港改修などを行う事業を中国の国有企業に発注した。写真はソロモン諸島のソガバレ首相。ニューヨークの国連本部で2017年撮影(2023年 ロイター/Eduardo Munoz)
南太平洋のソロモン諸島政府は、アジア開発銀行(ADP)の資金援助により首都ホニアラの国際港改修などを行う事業を中国の国有企業に発注した。政府高官が22日明らかにした。
受注したのは中国土木建設会社(CCECC)。カカラ・インフラ開発相はロイターに同社が唯一の応札企業だったとし、「ホニアラの国際港と、地方の2つの埠頭を改良する事業だ」と説明した。
中国海軍が寄港できるよう港の水深を深くするのではないかとの懸念が出ているが、同氏は「拡張は行われない」と言明した。
ソロモン諸島は昨年、中国と安全保障条約を結び、日米豪などはこの地域に中国が海軍の拠点を建設することを警戒している。一方ソロモン諸島と中国は、安全保障条約では海軍拠点は認められていないと指摘している。
ソロモン諸島政府は声明で、今回の入札は道路と埠頭を改修する1億7000万ドルのプロジェクトの一部で、CCECCは2022年に道路部分を受注したとしている。
オーストラリア国立大学のピーター・コノリー氏は「埠頭はソロモン諸島の経済発展に不可欠だが、中国海軍がこの地域にアクセスできるようにする『二重目的』の施設ではないか」と述べた。