最新記事
武器供与

ウクライナへの米武器供与が次々前倒し──パトリオット、エイブラムスも

Retired U.S. General Reveals Where Ukraine Should Use U.S. Patriot Systems

2023年3月22日(水)15時18分
ケイトリン・ルイス

NATOの訓練に参加するためポーランドの港に到着したエイブラムス戦車(2022年12月3日) Kacper Pempel-REUTERS

<ウクライナ軍の春の反転攻勢を前に、首都やインフラを守るパトリオットを送り、戦線突破に必要な米主力戦車エイブラムスも大幅に予定を早めて供与する>

米軍当局は3月21日、米国防総省が2022年後半に供与を約束したパトリオットの到着スケジュールを早めると発表した。パトリオットがウクライナに到着するまでには丸1年かかると予想されていたが、オクラホマ州フォートシルにある米陸軍基地の関係者は、ウクライナ兵65人に対する訓練はあと数日で終わると説明している。

ポリティコによれば、陸軍関係者は、訓練の見学に来た少数の記者に対し、訓練を受けたウクライナ兵士と、供与された2つのパトリオットシステムは、あと数週間で戦場に配置されると述べた。さらに、ドイツとオランダから供与されたパトリオットの使い方を学んでいる兵士たちもいるという。

アメリカ欧州・アフリカ陸軍の元司令官で元米軍中将のマーク・ハートリングは21日、CNN記者ナターシャ・バートランドとジェイク・タッパーに対し、スケジュールが早まったことについて述べ、ウクライナはどうすればパトリオットを最も有効活用できるかについて見解を示した。

「パトリオットは、ポイント防衛システムだ」とハートリングは言う。「ウクライナの首都キーウや港湾都市オデッサなど、守るべき範囲が限定された場所に配置する必要がある。パトリオットは、敵を追って移動できるような兵器ではない。守りたい場所に置かなければ意味がない」

「最も重要な防衛対象はおそらく、これまでにもロシアから攻撃を受けたされた都市やインフラだろう」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

IT大手決算や雇用統計などに注目=今週の米株式市場

ワールド

バンクーバーで祭りの群衆に車突っ込む、複数の死傷者

ワールド

イラン、米国との核協議継続へ 外相「極めて慎重」

ワールド

プーチン氏、ウクライナと前提条件なしで交渉の用意 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 8
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中