米、ウクライナへの主力戦車「エイブラムス」供与を前倒しへ
ウクライナへ供給が予定される「M1A1/SA」型のエイブラムス戦車 armyreco / YouTube
米国防総省はウクライナへの主力戦車「エイブラムス」の供与を早める計画で、今秋にも実現する可能性がある。国防総省当局者が21日、明らかにした。
米バイデン政権は1月、ウクライナにM1エイブラムス戦車31両を供与すると発表。それまでの反対姿勢を撤回し、ウクライナ支援で欧州との結束を鮮明にした。
当局者によると、新規計画の下でウクライナに「M1A1/SA」型のエイブラムス戦車を供与する。ウクライナ軍の大半の戦車と同様にディーゼル燃料で走行でき、この問題に詳しい議会筋によると、この変更により供与までの期間が約1年短縮される。
国防総省のライダー報道官は記者団に対し「ウクライナと緊密に調整し、エイブラムス戦車のM1A1型を供与すると決定した。これにより供与にかかる時間が大幅に短縮され、今秋までにウクライナに届けることができる」と述べた。
国防総省はこれまでウクライナへの戦車供与の具体的な期日は示していなかった。
ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官はCNNに対し「取り組みが行われている」とし、「加速化に向け、プロセスの一部変更が可能だ」と述べた。
議会筋によると、オースティン国防長官が供与を早めるための複数の選択肢を検討し、約1年間短縮するとの決定に至ったという。供与する順序の変更やロシア軍に回収され研究されないよう精密機器を取り除いた戦車の使用などが検討された可能性があるとした。
防衛関連大手ジェネラル・ダイナミクスでは現在、月間で12両のエイブラムスが製造されている。