最新記事
日韓関係

日韓シャトル外交再開......韓国・ユン大統領、今後の国内支持率で方針転換する可能性は?

2023年3月17日(金)18時11分
佐々木和義

支持率によって政策を転換する可能性は......

日米との緊密な関係を主要政策に掲げる尹錫悦政権は、1963年にドイツとフランスが結んだエリゼ条約の研究を始めているという。

ドイツとフランスは、1870年に始まった普仏戦争から1945年に終結した第二次世界大戦まで短い期間に3回戦争を行っており、近年の日韓よりさらに険悪だったが、エリゼ条約の締結以降、友好関係を構築した。

尹政権は日韓の緊密な関係を期待するが、日本側には懸念がある。1998年に小渕恵三首相と金大中が行った共同宣言に対して韓国国会が破棄を要求、日韓共同宣言は、次期盧武鉉政権以降、事実上、白紙化されたままとなっている。

また、李明博元大統領は就任当初は日本と良好な関係を築いたが、任期後半に支持率が低下すると反日に転換し、韓国大統領としてはじめて竹島に上陸した。「告げ口外交」を展開した朴槿恵政権は後半に入ると日本に歩み寄って関係改善の兆しを見せたが、文在寅政権が覆した。

就任当初から支持率が低迷している尹錫悦政権が、支持率によって政策を転換する可能性は少ないが、次期政権が反対党に移ると覆す恐れがある。外務大臣として慰安婦合意を交わした岸田総理は十分理解しているだろう。

そうはいっても慰安婦合意を交わした2015年や徴用工裁判の判決が下された2018年とは状況が変わっている。反日団体は元慰安婦や元労働者を前面に立てるが、高齢化が進んでおり、遺族や代替わりした家族は和解に応じる傾向がある。反日団体の結束が弱まる一方、反日団体を糾弾する反反日団体の活動が活発化しているのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中