最新記事
ファッション

「それが高級?」「誰か教えてやれ」父のプレゼントをネットで嘲笑された少女に、思わぬ贈り物

2023年3月9日(木)17時37分
イングリッド・メンドーサ
チャールズ&キースの店舗

チャールズ&キースの店舗(マレーシア) Charles & Keith-Shutterstock

<80ドルの「チャールズ&キース」のバッグを初めて買ってもらい、大喜びで動画をSNSにアップした少女がネットで嘲笑されたが...>

シンガポールに住む10代の少女が、父親にプレゼントされたファッションブランド「チャールズ&キース」のバッグを、SNSで「高級バッグを買ってもらった」と紹介したところ、多くの人たちに「高級じゃない」とからかわれた。だがその後、同ブランドはこの少女を新たなコミュニティ・アンバサダーに起用するというサプライズの発表を行った。

■【動画】「高級バッグ」だと言ってチャールズ&キースのバッグを紹介する少女の動画

チャールズ&キースは3月4日、フィリピン出身で現在はシンガポールで暮らす17歳のゾーイ・ガブリエルを、新たなコミュニティ・アンバサダーとして紹介した。ガブリエルは1月、父親に買ってもらった同ブランドのトートバッグを「高級バッグ」だといって喜ぶ動画をTikTokに投稿して、バッシングを受けていた。

チャールズ&キースは公式インスタグラムアカウントで、ガブリエルが同ブランドの人気バッグ「Alia」を手にポーズを取っている写真を紹介した。国際女性デーを記念して発売される、特別カラーのパープルのバッグだ。

■【写真】アンバサダーとしてバッグを手にポーズを決めるガブリエルの「公式」写真

同ブランドは3月8日の国際女性デーに先立ち、「国連女性機関(UN Women)による『ジェンダー平等のためのストーリーテリング』プログラムへの支持表明として、Aliaバッグの特別版を発売します」と投稿した。

ブランドの公式ウェブサイトによれば、2023年国際女性デーに向けたチャールズ&キースのキャンペーンは、「有意義な会話を生み出し、差別に対する意識を高め、公平で平等な社会の構築に向けた行動」につながることを目指すものだ。

「高級」と大喜びしたことに揶揄の声

今回キャンペーンに起用されたガブリエルは、1月にTikTokに投稿したバッグの動画と、それを理由に彼女をからかった人々への対応が大きな注目を集めた。本記事の発行時点で、動画の視聴回数は2210万回にのぼっている。

この動画の中で彼女は、父親が「人生初の高級バッグ」を買ってくれたと大喜びし、チャールズ&キースの黒のトートバッグは、自分が持っているバッグの中で一番高価なバッグだと報告した。

チャールズ&キースはシンガポールのファッションブランドで、チャールズ・ウォンとキース・ウォンの兄弟が1996年に立ち上げた。ブランドはその後、世界各地に何百もの店舗を構えるグローバルブランドへと成長したが、英BBCによれば、「手頃な価格帯」でシンガポールでは「高級」ブランドとはみなされていない。

そのためガブリエルの動画には、一部のユーザーからバカにするような声も上がった。ある人物は、ガブリエルが同ブランドのバッグを「高級バッグ」と呼んだことをからかい、笑っている顔の絵文字を添えて「誰が(高級バッグじゃないと)教えてあげる?」とコメントした。

別の人物は、「これを高級バッグと呼ぶのは、ファストフード店を高級レストランと呼ぶのと同じ」と書き込んだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRBとECB利下げは今年3回、GDP下振れ ゴー

ワールド

ルペン氏に有罪判決、被選挙権停止で次期大統領選出馬

ビジネス

中国人民銀、アウトライトリバースレポで3月に800

ビジネス

独2月小売売上は予想超えも輸入価格が大幅上昇、消費
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 5
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中