「もし電気を消したなら...」我が物顔でぞろぞろ、NYネズミ事情にTikTok戦慄
もはやニューヨークのステレオタイプに
きらびやかな大都市だが、地区や住まいのグレードによっては、実際に住んでみるとネズミとの戦いになる。このような事情は、もはやアメリカ人のあいだでは、ニューヨークのよく知られたイメージになっているようだ。
ミレニアル世代のあるカップルは、ニューヨークに移り住んだ当時の思い出を米CNBCニュースに語っている。いまでこそインフルエンサーとして成功し、年収が6桁ドルに達した二人だが、家賃の安いニューヨークのマンションに転がり込んだ当初は衝撃の連続だったという。
2017年当時、食品や日用品に使える予算は、二人を合わせても週に40ドル(約5400円)ほどだった。物価の高いニューヨークでは考えられないほど限られた金額だ。当然、家賃も節約を迫られる。
カップルのひとり、絵画を描いて生計を立てていたというルーカス・ボノーニ氏は、CNBCに当時をこう振り返る。
「まあひどいもので、悪夢そのものでした」「ニューヨークのステレオタイプのすべてを目にしましたね。ネズミ、ゴキブリ、そして黒カビ。まるで地下鉄の駅に住んでいるような感覚でした」
レストランは週に3軒のペースで営業停止
パンデミック中に空き家が増えたことで、ネズミ被害はアッパーイーストサイド地区にも広がった。このエリアは、ニューヨーク中心部のマンハッタンでも治安の良い地区として知られる。セントラルパークに面し、裕福な居住者を惹きつけ、ファッショナブルなショップとレストランが並ぶ町並みで有名だ。
そんな華やかなエリアでもネズミの苦情が絶えないほど、ニューヨークのネズミ事情は深刻なものとなっている。
ネズミの被害は住宅に留まらない。米情報サイトの「パッチ」ニューヨーク版は、保健所の立ち入り検査を受けて営業停止処分を受けたレストランが、2月前半の2週間だけでニューヨーク市内で6軒に及ぶと報じている。
処分は害虫以外の衛生状況も加味した点数制で判断されるが、こうした店舗の多くで、ハエ、生きたネズミ、ネズミの生息している痕跡などが検出された。
眠らない街・ニューヨークで夜通し活動しているのは、どうやら人間だけではないのかもしれない。