最新記事
ニューヨーク

「もし電気を消したなら...」我が物顔でぞろぞろ、NYネズミ事情にTikTok戦慄

2023年3月31日(金)18時30分
青葉やまと

もはやニューヨークのステレオタイプに

きらびやかな大都市だが、地区や住まいのグレードによっては、実際に住んでみるとネズミとの戦いになる。このような事情は、もはやアメリカ人のあいだでは、ニューヨークのよく知られたイメージになっているようだ。

ミレニアル世代のあるカップルは、ニューヨークに移り住んだ当時の思い出を米CNBCニュースに語っている。いまでこそインフルエンサーとして成功し、年収が6桁ドルに達した二人だが、家賃の安いニューヨークのマンションに転がり込んだ当初は衝撃の連続だったという。

2017年当時、食品や日用品に使える予算は、二人を合わせても週に40ドル(約5400円)ほどだった。物価の高いニューヨークでは考えられないほど限られた金額だ。当然、家賃も節約を迫られる。

カップルのひとり、絵画を描いて生計を立てていたというルーカス・ボノーニ氏は、CNBCに当時をこう振り返る。

「まあひどいもので、悪夢そのものでした」「ニューヨークのステレオタイプのすべてを目にしましたね。ネズミ、ゴキブリ、そして黒カビ。まるで地下鉄の駅に住んでいるような感覚でした」

レストランは週に3軒のペースで営業停止

パンデミック中に空き家が増えたことで、ネズミ被害はアッパーイーストサイド地区にも広がった。このエリアは、ニューヨーク中心部のマンハッタンでも治安の良い地区として知られる。セントラルパークに面し、裕福な居住者を惹きつけ、ファッショナブルなショップとレストランが並ぶ町並みで有名だ。

そんな華やかなエリアでもネズミの苦情が絶えないほど、ニューヨークのネズミ事情は深刻なものとなっている。

ネズミの被害は住宅に留まらない。米情報サイトの「パッチ」ニューヨーク版は、保健所の立ち入り検査を受けて営業停止処分を受けたレストランが、2月前半の2週間だけでニューヨーク市内で6軒に及ぶと報じている。

処分は害虫以外の衛生状況も加味した点数制で判断されるが、こうした店舗の多くで、ハエ、生きたネズミ、ネズミの生息している痕跡などが検出された。

眠らない街・ニューヨークで夜通し活動しているのは、どうやら人間だけではないのかもしれない。

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中