最新記事
兵器

「次は馬で出撃か?」 戦車不足のロシア、1940年代の戦車を展開して嘲笑される

Russia Mocked for Rolling Out T-54 Tanks From 1940s: 'What Next, Horses?'

2023年3月24日(金)18時10分
ブレンダン・コール

T-54/55を修理するための部品は豊富で安価

軍事情勢に関する公開情報を分析するオランダ拠点の「オリックス」によれば、ウクライナで戦争が始まってから、1871台のロシアの戦車が破壊、損傷、放棄、または捕獲されているという。

バルト海安全保障財団の上級防衛専門家グレン・グランドは本誌の取材に対し、たとえ古い戦車であっても、ロシア軍にとっては有用だと述べている。「建物が密集した地域にいる場合、大きな砲を持つ戦車は破壊しておく必要がある。その砲弾を受ければ、建物の壁は破壊されてしまう」

「こうした戦車が大量に投入されたり、10台や15台のグループを組まれたりした場合、対抗手段を持たなければならない」。ただし、これらの戦車に乗る兵士は「簡単に殺されるだろう。なぜなら装甲が不十分な戦車だからだ。それでも、重火器であることに変わりない」と、グラントは言い添えた。

米国のシンクタンク、戦争研究所(ISW)は3月22日、ロシア軍は装甲車の不足を解消するため、ソ連時代の戦車に頼ろうとしている可能性があると指摘した。「なぜなら、T-54/55を修理するための部品は豊富にあり、ほかの戦車の部品よりかなり安いためだ」

ISWによれば、T-54/55には現代的な装備を搭載できないという。「ロシア軍は、これらの古い戦車をウクライナに投入することで、より多くの犠牲者を出す可能性が高い」
(翻訳:ガリレオ)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中