最新記事

ロシア

「プーチンは側近に殺される」と ゼレンスキーが語る

Vladimir Putin Will Be Killed by His Own Inner Circle, Zelensky Predicts

2023年2月27日(月)15時04分
トーマス・キカ

ロシアのウクライナ侵攻1年目のデモでプーチンの「遺影」を持つ市民(2月25日、パリ)Johanna Geron-REUTERS

<ウクライナでの戦争は膠着状態が続き、プーチン周辺は不満を募らせている。最終的には身内の造反で権力の座と命を奪われる?>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は最終的に、自分に最も近い側近に殺されるだろう、とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は考えている。

ロシアのウクライナ侵攻1年目にあたる2月24日、ウクライナ人ジャーナリストのドミトロ・コマロフ制作のドキュメンタリー『Year』が公開されたが、そのなかで、ゼレンスキーはこの考えを口にしている。最終的にプーチンの指導力が「脆弱化する」時が訪れ、自分の支持者に刃を向けられるだろう、と彼は予測している。

「ロシアでプーチン政権の脆弱さが感じられる瞬間が必ずやってくる」と、ゼレンスキーは語った。「その時、肉食獣は肉食獣を食らうだろう。それは非常に重要なことだが、正当化する理由が必要になるだろう。彼らはコマロフやゼレンスキーの言葉を思い出すことだろう。殺人者を殺す理由を見つけるだろう。うまくいくか?いつになるか? それはわからない」

ここ数カ月、プーチンの側近の間で不満が高まっているという臆測が頻繁に報じられている。ウクライナでの戦争が長引き、ロシア軍が歴史的に壊滅的な損失を被り、どちらの側にも決定的な勝利が見えないからだ。

昨年12月、ワシントン・ポスト紙は、プーチンに最も近い側近たちが、プーチンは自分が何をしているのかわからず、ウクライナで前進する確固たる計画もないと見て、プーチンに対してますます不満を募らせていると報じた。

側近の反逆は突然に

この記事によると、特に、プーチンが年末恒例の記者会見を中止したことに不満が集中しているようだ。対ウクライナ戦争の明るいニュースがなく、共有する予定もないため中止したのではないかという憶測が流れている。この記者会見はこれまで、長時間かけて徹底的に質疑応答が行われる重要なイベントだった。

情報筋でも、プーチンが側近の手で権力を剥奪される可能性を強調することが多い。元CIA職員のダニエル・ホフマンは、昨年夏にデイリー・ビーストとのインタビューで、プーチンが側近によって追放されるとしたら、突然、秘密裏に行われるだろうと述べた。

「それをやろうとする人々は、プーチンに見つかって先に殺されてしまわないように、秘密裡にことを進めるだろう」と、ホフマンは説明した。「それは突然に起こる。そしてプーチンは死ぬだろう」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾総統、太平洋3カ国訪問へ 米立ち寄り先の詳細は

ワールド

IAEA理事会、イランに協力改善求める決議採択

ワールド

中国、二国間貿易推進へ米国と対話する用意ある=商務

ビジネス

ノルウェー・エクイノール、再生エネ部門で20%人員
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中