韓国核武装「890計画」の幻
Nukes in the South, Too?
韓国初の核武装の試みは、現代にいくつかの教訓と警告を与えてくれる。
攻撃回避の唯一の道は
第1に、韓国が70年代にひそかに核開発を進めることが不可能だったのなら、今さら可能になることは絶対にあり得ないはずだ。
第2に、現代韓国の技術力は当時よりはるかに優れているものの、今も国際社会の協力なしに核兵器は開発できない。韓国は核拡散防止条約(NPT)締約国であり、核不拡散は国際社会の不動の原則だ。核武装を進めれば法的な合意に違反する可能性があり、ひいては外交的孤立や国際的反発を招くだろう。
核という選択肢は、アメリカとの同盟に大きなひびを入れることにもなりかねない。米政府は、韓国の核武装を認めない姿勢を維持している。加えて、韓国は自国の原子力エネルギー産業を危険にさらすことになるだろう。同国の原子炉は、アメリカをはじめとする外国の技術に頼る側面が大きいからだ。
さらに、恐らく最も重要なことに、韓国の核武装は北朝鮮の非核化という要求を完全に無効化する恐れがある。そうなれば、朝鮮戦争の休戦状態は解消できず、外交はほぼ不可能になる。朝鮮半島の軍事的緊張が大幅に高まり、地域内で核軍拡競争を引き起こす可能性さえある。
北朝鮮による攻撃を防ぐ最良の方策は、外交や対話による取り組みだ。平和的解決を実現し、北朝鮮の軍備管理への道筋をつけ、南北の平和的共存を可能にするには、そうするよりほかにない。
From thediplomat.com
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