訪日韓国人急増、「いくら安くても日本に行かない」との回答も一変......その理由は?
大韓航空は、売上高と営業利益のいずれも過去最高を記録
大韓航空は旅客需要が回復した2022年、売上高と営業利益のいずれも過去最高を記録した。同社はアシアナ航空の買収に乗り出す考えだ。
格安航空LLCのジンエアーは22年10月〜12月の第4四半期、国際線の利用者がコロナ禍前の63%まで回復し、19年の第1四半期以来、15期ぶりに黒字となった。
国際線利用者が54%まで回復した済州航空は、3月26日から仁川―松山・静岡線の運航を再開する。
アシアナ航空を除く航空各社がV字回復を果たすなか、ソウル江南の都心空港ターミナルが廃業した。同ターミナルは1990年の開業以来、航空会社のチェックインサービスを提供してきたが、空港鉄道の運行やモバイルチェックインの普及で利用者が減少、また新型コロナウイルス感染症の影響で20年4月から休業していた。
済州島も観光客の減少に頭を抱えている。日本製品不買運動が拡大した2019年、過去最多となる1356万人の韓国人が済州島を訪れた。2020年には新型コロナウイルスの感染拡大で1002万人に落ち込んだが、2021年から増加に転じ、昨年は1381万人の韓国人が訪れた。
ノービザが再開すると済州島を訪れる韓国人が減少しはじめた。ノービザ再開直後の11月は対前年比4%減にとどまったが、12月には7%減、1月に入ると10.4%減少、売上げが26%落ち込んだホテルもある。
訪日韓国人の増加でも日本が享受する恩恵は限定的
訪韓日本人が増加しても日本観光業界の好況につながる可能性は大きくない。日本製品不買運動が吹き荒れた2019年下期、韓国の旅行会社と航空会社が甚大な被害を受けたが、多大な被害を受けた日本企業はほとんどない。
成田空港に到着する外国人旅行者の多くがJRの成田エキスプレスや京成スカイライナーで都心に向かい、関西空港でもJRの特急はるかや南海のラピートを利用するが、韓国人は多くがより安価な一般列車を利用する。
日韓往来が1000万人に達した2018年、訪日外国人のなかで最も支出が少ないのが韓国人だった。
訪日韓国人の増加で韓国の航空会社と旅行会社が好調な再スタートを切る一方、日本が享受する恩恵は限定的だろう。