最新記事
ウクライナ情勢バイデン、キーウを電撃訪問 侵攻後初、出発数時間前にはロシアに通知
バイデン米大統領は、ロシアの侵攻開始から1年となるのを前にウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問し、必要な限り支援を継続すると表明した。キーウで代表撮影(2023年 ロイター)
バイデン米大統領は20日、ロシアの侵攻開始から1年となるのを前にウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問し、必要な限り支援を継続すると表明した。
空襲警報が鳴り響く中、ゼレンスキー大統領と共にキーウ中心部を歩いて結束を強調。
「プーチン(ロシア大統領)は約1年前に侵攻を開始した際、ウクライナは弱く、欧米諸国は分断されていると考えた。われわれより長く持ちこたえられると考えたが、彼は完全に誤った」と述べた。
また、侵攻後初となった今回の訪問の目的について「ウクライナの民主主義、主権、領土保全に対する揺るぎない確約を再確認する」ことだとした。
ゼレンスキー氏は「米大統領がウクライナを訪れるのは15年ぶりで、両国関係において史上最も重要な訪問だ」とし、「全ウクライナ国民への支援という極めて重要なシグナル」だと述べた。
ポーランドのテレビ局はその後、バイデン氏が同国で列車から降りる様子を伝えた。
こうした中、米国務省は4億6000万ドルの追加支援を発表した。4億5000万ドル相当の砲弾や対装甲システム、航空監視レーダーに加え、エネルギーインフラ向けに1000万ドルを提供する。
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は、侵攻開始から1年を迎える前にロシアに対する追加制裁を承認するとの見通しを示した。
プーチン大統領は21日に重要な演説をする予定で、侵攻2年目の目標などを示すとみられている。
外交筋によると、ロシアは中国外交担当トップの王毅氏とモスクワで協議を行う見通し。侵攻開始の数週間前にロシアとの「制限のない」友好関係を表明した中国は、ウクライナ紛争について公には中立の立場を維持している。
米政府は中国がロシアへの兵器供与を開始する可能性があると懸念を示しているが、中国外務省の汪文斌報道官は20日の定例会見で「中国に命令する資格は米国にない」と反発した。
外交筋によると、王氏はロシアとの協議で戦争の政治的解決に関する中国の案を話し合う方針。
キーウ訪問を事前にロシアへ通知
米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は20日、ロシアのウクライナ侵攻から1年を迎えるタイミングでのバイデン米大統領のキーウ(キエフ)電撃訪問について、衝突回避のため出発数時間前にロシアに通知したと述べた。
ホワイトハウス当局者によると、今回の訪問は現地に米軍の拠点がないため行程を組むのが複雑で、過去に米大統領がイラクやアフガニスタンなどの紛争地域を訪問した時とは異なるものだった。