トルコ大地震を予知した?鳥の異様な行動が観察される
Does Turkey earthquake video show birds acting strange before?
(写真はイメージです) Ralf Liebhold-iStock.
<鳥の群れの行動は、動物に地震予知能力があることを示す新たな証拠とも言われるが、動物たちはいったいどうやって地震を察知するのか>
昔から、動物には地震を予知する能力があると言われてきた。
1月6日未明にトルコとシリアの国境付近で起きたマグニチュード7.8の地震の直前に撮られたある動画がその証拠として、ネット上で急速に拡散している。地震発生の直前に撮影されたものとされる動画には、鳥の群れが普段とは明らかに異なる行動を取っている様子が映っている。
【動画】トルコ大地震の前の不気味な鳥の群れ、地震予知した?猫カフェの猫たち......
この動画はs/Solonik70というユーザーがSNSのレディットに投稿したもの。「トルコで起きた地震の直前に鳥がおかしな行動を取っていた」というコメントを添えた動画には、1万8400件の高評価がついている。
そこには、鳥の群れがぐるぐると円を描くように飛びまわり、一斉に近くの木々にとまる様子が映っている。辺り一帯の木の上部は、降り立った鳥の群れで黒い塊と化す。
あるユーザーは、「鳥は人間には察知できない小さな前兆を察知できるんだ。嵐が近づいている時にも、動物たちは急いで出来る限りの餌を食べる。それと同じだ」とコメントした。
古代のネズミから現代の犬まで
動物は地震を事前に察知できるということは、何千年も前から言われてきた。米地質調査所の報告書によれば、最も古い記録では、紀元前373年にギリシャで起きた大地震の数日前に、ネズミやイタチ、ヘビやムカデが安全な場所に避難したことを記した文献があるという。
この指摘は、さほど的外れなものではないかもしれない。2020年に学術誌「エソロジー(動物行動学)」に発表された研究報告によれば、イタリアのある農場で飼われていた牛、犬と羊に電子タグをつけて行動を観察したところ、近くで起きた8回の大規模な地震のうち7回で、その直前に動物たちが「超活発」になったことが分かった。「超活発」とは、45分以上にわたって動き続ける状態のことを指す。
独マックス・プランク動物行動研究所のディレクターで、この研究報告の著者であるマーティン・ウィケルスキーは、米ワシントン・ポスト紙に対して「(研究では)動物が地震の前兆を感知できること、その前兆とは地震活動ではないことが示された」と述べ、さらにこう続けた。
「牛は当初、その場で固まって全く動かなかった。その後、犬が不安な様子を見せて、狂ったように吠え始めた。その後羊が異常行動を取り始めると、牛も常軌を逸した状態に陥った」