放火、強姦、死者1000人超...インド史に残る「黒歴史」を蒸し返されたモディ首相の怒り
Modi’s Hidden Past
釈放されつつある犯罪者たち
事件から20年がたつインドでは、当時有罪となった人々の多くも釈放されつつある。つい最近も、イスラム教徒の妊婦を集団レイプし、彼女の3歳の娘を含む家族14人を殺害して終身刑を言い渡された11人が釈放された。
そんなインドと貿易協定をまとめたいスナクは、難しい立場に立たされている。BBCの番組の基礎となっているのが英政府の調査報告書であるだけに、その内容を軽んじるような発言はできない。
実際、1月に英議会でこの問題について問われたスナクは、イギリスはいかなる迫害も許さないと述べるにとどまり、モディの責任については直接的な言及を避けた。
ドキュメンタリーの第1部では、02年当時のモディへのインタビュー映像も紹介されている。BBCの記者に事件の教訓を問われたモディは、「メディアの扱い方を学ぶ必要性だ」と答えている。
このときよほど厳しい質問をされたからかもしれない。インドの首相に就任してから、モディが即席の会見に応じたことは一度もない。インタビューに応じるとしても、自分に批判的なジャーナリストの質問には決して答えない。
インドにBBCのような放送局がないことに、モディは感謝していることだろう。
2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら