ロシアはウクライナに全陸軍の97%を投入し、激しく損耗している──英国防相
Russia has 97 percent of army deployed in Ukraine: U.K.
ロシア軍部隊は攻撃に失敗すると30両の装甲戦闘車両などを放棄して逃げた The Daily Unseen 2/YouTube
<ロシアは陸軍を「ほぼ丸ごと」ウクライナに投入している。その人員と戦車が大幅に損耗しているとすればヨーロッパの安全保障に大きな影響がある、と英国防相は語った>
イギリスのベン・ウォレス国防相は、ロシアがウクライナに陸軍をほぼ丸ごと投入していると語った。
ウォレスは2月15日、NATO国防相会議に出席するため訪れていたベルギーのブリュッセルから、英BBCのラジオ番組「トゥデイ」に出演。「今やロシア陸軍の97%がウクライナに配備されていると推定している」と述べた。国防相会議にはNATOのイエンス・ストルテンベルグ事務総長も出席し、会議終了後に記者団に対して、ウクライナでの戦争によりNATOの軍事支出が増えており、加盟各国に国防費の増額を促したと語った。
ウォレスは「トゥデイ」で、イギリスがウクライナを支援することで、イギリスの国防が損なわれることはないと述べた。
「ウクライナがロシアを打ち負かす手助けをすることは、むしろイギリスの安全保障を強化することになる」と彼は言う。「もしロシア陸軍の97%がウクライナに投入され、損耗率がきわめて高く、戦闘力が40%低下し、ロシアが保有する戦車の約3分の2が破壊されるか破損しているとすれば、それはヨーロッパの安全保障に影響をもたらすに違いない」
こんな進軍はみたことがない
ウォレスはまた、ウラジーミル・プーチン大統領が率いるロシア軍は、ウクライナの複数の前線で進軍を試みるなかで大量の兵士を失い、厳しい局面を迎えているとも語った。
「大規模攻勢をかけて突き進むために、一方の勢力がこれだけの人員を投入する例は、これまでに見たことがない」とウォレスは述べた。「つい先日の進軍でも、ロシア陸軍は大きな犠牲を出した」
「トゥデイ」出演に先立ち、ウォレスはBBCのテレビ番組「BBCブレックファースト」にも出演。イギリスがウクライナ軍に対して、近いうちにジェット戦闘機を供与する可能性は低いと述べた。