中国にリスク覚悟で「偵察気球」を送らせた3つの対米不満
Spy balloon signaled China's displeasure over three issues: Stavridis
こうしたなか、スタブリディスは6日にNBCニュースに出演し、中国がアメリカとの緊張激化のリスクを冒してまで気球を飛ばした理由を説明。「幾つかの問題について、アメリカに不満を抱いているのだという直接的なメッセージだったと思う」と述べた。
スタブリディスが指摘した「中国の不満」とは、以下の3つだ。
1)フィリピンの米軍基地拡大
スタブリディスがまず指摘したのは、今回の気球が、アメリカとフィリピンの間で交わされた新たな協定に対する不満のメッセージである可能性だ。米・フィリピンは先週、東アジア地域において中国への抑止力を高めるために、米軍がフィリピン国内で使用できる基地を増やすことで合意した。
中国はこれについて、「地域の緊張を高め、地域の平和と安定を損なうもの」だと反発。「フィリピンが利用されてトラブルに引きずり込まれることがないよう、慎重な姿勢を保つことを願っている」と声明で述べた。
スタブリディスは、中国が特に腹立たしく思っているのは、アメリカが台湾に近いルソン島の北部にある基地へのアクセス権を手にしたことだろうと指摘した。
2)グアムの新基地
スタブリディスはまた、アメリカが米領グアムに新たな基地を建設していることが、米中の新たな火種となる可能性があると指摘した。米CNNによれば、米海兵隊の基地が新たに開設されるのは70年ぶりで、この「キャンプ・ブラズ」には最大5000人の海兵隊員が配備されることになる可能性がある。
専門家は、この新基地(気球発見のわずか数日前に開所)は中国からの脅威を抑止する狙いで建設されたものだと指摘している。