最新記事

米中関係

中国にリスク覚悟で「偵察気球」を送らせた3つの対米不満

Spy balloon signaled China's displeasure over three issues: Stavridis

2023年2月7日(火)18時11分
アンドリュー・スタントン

中国の気球に向かってミサイルを発射する米軍のF22戦闘機(イメージ) Amit Sengupta-YouTube

<中国がブリンケン米国務長官の訪中前のこのタイミングであえてリスクを冒したのは、アメリカのインド太平洋戦略に憤りを募らせていたからではないか、と米海軍の元大将は言う>

中国がアメリカ本土上空で偵察用気球とみられるものを飛ばした狙いは、アメリカのインド太平洋戦略に対する不快感を表明することだったのかもしれない――米海軍の元大将であるジェームズ・スタブリディスが、このような見方を示した。

問題の気球は、2月1日にモンタナ州ビリングスの上空を飛行しているのを発見され、アメリカの国家安全保障に対する不安の声が高まった。気球は国際法上、航空機に位置づけられており、許可なくアメリカの領空に侵入するのは国際法違反であり、アメリカの領空侵犯にあたるためだ。気球はその後、数日間にわたってアメリカ上空を飛行し、4日に大西洋上に出たところで撃墜された。

この事件は、既に中台統一やロシアのウクライナ侵攻をめぐって対立しているアメリカと中国の緊張を、さらに高めることになった。

アントニー・ブリンケン米国務長官は、気球が発見されたことで米中間の緊張緩和を目的としていた中国訪問の予定を延期。一方の中国は、気球は気象観測などの科学研究を目的とした民間のものが、米領空に迷い込んだだけだと主張。撃墜を非難した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

NZ財務相、大幅なインフレ加速警告 イラン戦争長期

ワールド

豪、燃料税を3カ月半減 イラン戦争で価格急騰 家計

ワールド

焦点:イラン戦争で高まるリスク、米大統領後継者はバ

ワールド

トランプ氏、国家情報長官はやや「弱腰」 イラン核問
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中