ロシアが誇る最新鋭T-14戦車ついに戦場へ? だが現場が配備を「嫌がっている」理由
What Are T-14 Armata Battle Tanks? Russian Vehicles Plagued With Problems
英陸軍情報部の高官が作成した報告資料には、「完全に自動化かつデジタル化された無人砲塔が、主力戦車に組み込まれたのは初めてのことだ。また、乗員が車体前方に設置された装甲カプセル内に配置されるのも、かつてないことである」と書かれている。
またT-14にはトイレも装備されており、乗員は戦闘中、必要以上に自らを危険にさらす必要がない。
英陸軍の退役上級大佐ベン・バリーは当時、テレグラフに対して、この砲塔には150mm口径砲を装備する余裕がありそうだと述べている。150mm口径砲は、「北大西洋条約機構(NATO)が導入している戦車に搭載された銃器や装甲を圧倒する」ものだという。
お披露目の当日からトラブル続き
とはいえ、このハイテク戦車は2015年、モスクワの「赤の広場」で行われたパレードで初公開される直前のリハーサル中、不意に停止したことでも話題になった。故障したのではないかという憶測が流れたが、メーカー側はそれをすぐさま否定している。
英国防省が1月19日に発表した最新情報によれば、T-14は初公開されて以降ずっと、「計画の遅れや、車体サイズの縮小に見舞われ、製造上の問題に関する噂がつきまとってきた」という。しかもほかの多くのロシア製戦車と比べて大型で重量もあり、輸送も容易ではないため、配備は「ロシア側にとってリスクの高い決断」になるだろう、と英国防省は指摘する。
ショイグ国防相が2021年に「試験的な」トランシェだと認めたことを考えれば、ウクライナに投入されるT-14の「新たな装備が、運用可能とみなされる範囲の基準を満たしている」可能性は低い、と英国防省の最新情報は続けている。同省によれば、不安視されている原因は、エンジンと赤外線画像システムに障害が出ていることにあるのかもしれないという。
従って、T-14がウクライナに投入されたとしても、「主にプロパガンダ目的となるだろう」と、英国防省は述べている。「生産台数はおそらく数十両にすぎない。ロシア軍の指揮官たちが、戦闘でこの戦車を頼りにするとは思えない」
(翻訳:ガリレオ)