ウクライナの航空戦力増強にはパイロットごと米軍機を「リース」する手がある──元米空軍大佐
Ex-Colonel Outlines How Ukraine Can 'Lease' an Air Force From U.S.
アメリカはウクライナ戦争への自国の関与の拡大を警戒している。とくに対ウクライナ支援に慎重な共和党が主導する議会下院では支援に抵抗する声が高まっている。リースという形なら、米政府の資金を節約する一方で、ウクライナ支援の体裁も保つことができる可能性が高い。
軍用機の供与は、もっぱら防衛強化が目的だという議論もある。地上戦で成功をおさめている割に、ウクライナ軍は今のところ自国の領空を守り切ることができず、ウクライナ上空の防衛はほぼ地対空ミサイルシステム頼みになっている。英情報機関が指摘するように、ロシア軍部隊が訓練不足なおかげで助かっているだけだ。
ウクライナにはパイロットはいても、それほど能力の高くないロシア軍との空中戦に打ち勝つだけの技術もない。航空戦力の不足も深刻だ。イギリスのシンクタンク、英王立防衛安全保障研究所は昨年11月、ウクライナ側の犠牲が大きいのは、航空戦力が「技術的に完全に劣り、数もかなり少ない」ことが主な原因になっている、と分析している。
戦争を長引かせないために
英王立防衛安全保障研究所はこのとき、航空戦力の増強はウクライナが領空を防衛するうえで不可欠であり、戦争期間を短縮するうえでも重要になると指摘した。
「西側諸国は、ウクライナの防空能力を緊急に強化する必要性について、甘い考えは避けなければならない」と、同研究所は主張する。「シリア空爆を見ても分かるように、ロシア軍は本来、爆撃機や多機能戦闘機の編隊による大規模で効率のいい空中火力で戦略目標や前線基地を爆撃するのが得意だ。今回それができていないのは、(ハイマースのような)移動式地対空ミサイルシステムの破壊に失敗しているからだ」
研究所はこう続けた。「ウクライナ空軍の戦闘機部隊は、(ロシア空軍に)持続的に対抗するために、西側の近代的な戦闘機とミサイルを必要としている。この戦争ではロシアのパイロットが逃げ腰のため、西側戦闘機が参戦すれば少数でも大きな抑止効果をもたらす可能性がある」
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