中国からの入国者をめぐる韓国の混乱......陰性証明書でも陽性に、陽性判定者は逃走
陽性判定を受けた中国人男性が逃走
陽性判定を受けた長期滞在者と韓国人は、重症でない限り7日間の自宅隔離が義務付けられる。韓国内に住所がない短期滞在者は空港近くの臨時施設で7日間隔離される。
1月3日夜、仁川空港で陽性判定を受けた40代の中国人男性が逃走した。専用バスで隔離先のホテルに到着直後、走り去ったという。警察が防犯カメラを確認して、隔離先のホテルから300メートルほど離れた大型スーパーまで移動したことを突き止めたが、その後の行方がわからなくなり、5日午後1時、ソウル市内のホテルで身柄を確保した。スーパーからタクシーでソウルに移動したようだ。
虚偽の住所、検査を受けない人も
長期滞在者と韓国人のPCR検査を担う自治体は悲鳴を上げている。1月2日から11日までの10日間に1万3007人が中国から入国した。そのうち2852人が空港や港湾で検査を受け、1万155人は居住地近くの保健所で検査を受けることになった。
中国人居住者が多いソウル市九老区は保健所の人員を増やし、京畿道安山市は市内2か所保健所で週末検査を再開した。入国者は24時間以内に検査を受けることが義務付けられるため、対象者が1人でもいる地域の保健所は対応しなければならないのだ。韓国語を話せない長期滞在者もいて、多者通話などを利用しているという。
検査を受けない人たちもいる。1月2日から4日に入国した3566人のうち、外国人20人と韓国人9人が検査を受けていないことが判明した。保健所は入国の際に届け出た連絡先に通知するが、虚偽の住所や連絡先を提出した疑いがある人もいるという。
仁川市中区庁は人手不足に陥っている。仁川空港で陽性判定を受けた短期在留者は隔離先ホテルがある同区の感染者に合算され、同区庁が管理する。
区庁は人手不足を補うため中央事故収拾本部に職員派遣を要請し、短期滞在者は韓国語が通じないことから通訳者を手配したが、隔離場所の移転を求める苦情電話が相次ぐなど、業務に支障が出ているという。
一方、米国とオーストラリアの航空路線再開を推進
少なくとも20カ国が対中国の水際対策を強化するなか、中国は日本と韓国の2カ国に報復措置を取る一方、米国とオーストラリアの航空路線再開を推進する。
韓国メディアは中国が米豪との関係改善を模索すると論じるが、中国にとって日本や韓国との往来は水際対策を緩和すれば短期間で元に戻るのに対し、米豪は時間がかかると予想される。そこで、各国を牽制するため日韓へのビザ発給を停止しながら米豪には真逆の対応を取っていると考えられる。