最新記事

ミス・ユニバース

「バンコクのゴミ捨て場で育った......」 ミス・ユニバース タイ代表のアルミ缶のプルタブで作られたドレスに喝采

2023年1月17日(火)20時52分
佐川恵里子

ミス・ユニバース、タイ代表のアンナー・スアンガームイアムさん  instagram/@annasnga_1o

<ミス・ユニバース、タイ代表のアンナー・スアンガームイアムさんは、女優、モデルとして活躍する24歳。彼女は、バンコクのゴミ捨て場で育った......>

先週幕を開けたミス・ユニバース。世界各国から集結した美女が本戦を賭け予選で「美」を競った。

なかでも注目を集めたのは、タイ代表のアンナー・スアンガームイアムさんだ。女優、モデルとして活躍する24歳の彼女は、バンコクのゴミ捨て場で育った。両親はごみ収集業を営んでおり、決して恵まれた環境で育っていないことを明かしている。

休日には両親の仕事を手伝うこともあり、ゴミとして捨てられていたおもちゃを修理したもので遊んでいたという。

>>■■【画像】ミス・ユニバース、タイ代表のアルミ缶のプルタブで作られたドレスに喝采

アルミ缶のプルタブとスワロフスキークリスタルを組み合わせたドレス

今回の世界大会で話題になっているのは、イブニングガウンの審査でスアンガームイアムさんが着用したもの。アルミ缶のプルタブとスワロフスキークリスタルを組み合わせたドレスはファッションブランド「Manirat(マニラット)」がデザインを手がけた。

このドレスは、スアンガームイアムさんがインスタグラムで写真を公開して以来、15万件以上の「いいね!」を獲得している。

スアンガームイアムさんは、このドレスは彼女の生い立ちとゴミ収集人であった両親への敬意を込めたオマージュだと語っている。

投稿に添えられたメッセージには、「このガウンは、私の子供時代の身近な環境からインスピレーションを受けました」「このユニークなガウンは、多くの人に価値がないと思われているものが実は独自の価値と美しさを持っていることを示すために、アルミ缶のプルタブを使って意図的に仕立てられました」「これを見て、聞いて、そして願わくばその価値を示すメッセージとなりますように」とある。

「彼女は "ゴミから生まれた美の女王 "と呼ばれたけれど、彼女の宝石のようにまばゆい輝きを止めることはない」と書かれている。

>>■■【画像】ミス・ユニバース、タイ代表のアンナー・スアンガームイアムさんの美しい姿

バンコクのスラム街で生まれ、寺院に預けられた

ミス・ユニバース公式に掲載された情報によると、スアンガームイアムさんは、バンコクのスラム街で生まれ育った後、安全とは言えない環境を懸念した両親によって、寺院に預けられた。仏教の尼僧に囲まれて育ち、食事は主に僧侶が食べ残した物だったという。

「幼い頃から貧しさが理由で、学校生活は他の子どもたちと差がつき、特に高い授業料に苦労した」と彼女の経歴に書かれている。学費をまかなうために、彼女はポイントを集め、毎学期献血をし、ペットボトルを集め、公衆トイレの掃除をしなければならなかった。こういった経験から、スアンガームイアムさんはタイの子どもたちが平等に教育を受けられない状況に疑問を抱くようになったそうだ。

スアンガームイアムさんは現在、自分のプラットフォームを通じて、恵まれない環境にある子どもたちの声を代弁し、増幅させたいと考え、複数のNPOで活動している。

>>■■【画像】ミス・ユニバース、タイ代表のアンナー・スアンガームイアムさんの美しい姿

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中