「マネキンも捕らえられ、閉じ込められている」タリバン支配下のマネキンは斬首を免れた......
前出の衣料品店のオーナーであるバシルさんは、売上が以前の半分になったことを明かした。
タリバン政権前からの伝統的な結婚式、そしてイブニングドレスや伝統的なドレスを買うことは、もはや人々にとって優先すべきものではなくなってしまった。「人々は食べ物を手に入れ、生き延びることを何より優先しているのです」
窮状に陥った小売店は苦肉の策として、ノースリーブのガウンを着たマネキンの頭に、黒いビニール袋をかぶせていた。店主は「これ以上の余裕はない」と言った。
なお、これは女性マネキンに限ったことではない。街のショーウインドーには頭を覆った男性マネキンも少なからず見受けられ、当局が一律に禁止令を適用していることを示唆している。
別の店主によると、「勧善懲悪省(悪徳美徳省)」のエージェントが定期的に店やモールを巡回して、マネキンの首が切られているか、覆われたりしているかどうかを確認しているそうだ。
頭を覆われたマネキンはアフガン女性そのもの
マネキンに課せられた規則に反対だったこの店主は「マネキンが偶像でないことは誰もが知っているし、誰もそれを崇拝したりはしない。すべてのイスラム教の国では、マネキンは服を展示するために使われています」
タリバンは当初、1990年代後半の最初の統治時代と同じような厳しい規則を社会に課すことはないと言っていた。にも関わらず、特に女性に対し、多くの制限を徐々に課してきた。
ある日、買い物中の女性は、フードをかぶったマネキンを見て、こう言った。
「このマネキンを見ていると、このマネキンも捕らえられ、閉じ込められているように感じ、恐怖を覚えます」
この店のショーウインドーの向こうに、すべての権利を奪われたアフガニスタンの女性たちの悲痛な顔が見える気がする。