中国を追うアメリカ、さらに日本も参戦...再び動き出した「アフリカ争奪戦」と「再分割」
AN AFRICAN AGENDA
第1に、アフリカ諸国は声を1つにする必要がある。1つが無理でも、2つか3つにまとめないと大きな声にならない。アフリカには54の国があるが、その多くは小さい。19世紀の「アフリカ分割」の悪しき遺産だ。
しかし、これからは地域レベルで団結して声を上げるべきだ。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)や東アフリカ共同体(EAC)、南部アフリカ開発共同体(SADC)などを有効に使えばいい。
歓迎すべき動きもある。アメリカ政府は先ごろ、アフリカ連合(AU)をG20(20カ国・地域)の仲間に入れようと提案した。ほぼ時を同じくして、セネガルのマッキ・サル大統領はニューヨーク・タイムズ紙との会見で、国連安保理のアフリカ枠を「1増」ではなく「2増」にすべきだと述べた。実現は難しいが、大きな野心を堂々と述べたのはいい。
植民地支配の苛酷な歴史を考慮するなら、国際機関におけるアフリカ代表の地位は根本的に見直す必要がある。アフリカ大陸の人口は、1950年には世界人口の1割に満たなかった。しかし国連の推計では、今世紀末には地球人の4割がアフリカ人になる。この事実の重さは、まだ十分に認識されていない。
アフリカこそが主役になれ
声を1つにするだけでは、たぶん足りない。もっと大事なことがある。アフリカ勢が国際社会で、自ら主導権を握ることだ。何が必要かを、自ら主張すべきだ。外国によるお仕着せの支援を受け入れるだけではいけない。中国のインフラ建設支援も、アメリカの「能力構築」支援も、NGOや民間団体による支援も、与えられるだけで満足していたら構造的な従属から抜け出せない。
今はロシアがアフリカ大陸で安全保障面の存在感を増そうとしているが、そういう形の支援で流入する資金は、結局のところ拠出国に還流される。そしてアフリカ諸国は「債務の罠」にはまる。これを逆転し、アフリカ諸国が主体性を発揮すれば、「一帯一路」の中国政府にも、アメリカ主導の国際金融機関にも振り回されずに済むはずだ。
高望みかもしれないが、アフリカが国際社会で子供扱いされないよう、アフリカ諸国の指導者にはこれまでよりもずっと発想を豊かにし、力を合わせて独自の政策課題を提起するようになってほしい。