最新記事

ウクライナ情勢

プーチン「6日から36時間の停戦」指示 ゼレンスキー「占領地撤退が先」と拒否

2023年1月6日(金)10時11分
ロシアのプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領は5日、ロシア正教のクリスマスに当たる6日正午(日本時間6日午後6時)から36時間、ウクライナでの停戦を命じた。提供画像(2023年 ロイター)

ロシアプーチン大統領は5日、ロシア正教のクリスマスに合わせ6日正午(日本時間6日午後6時)から36時間、ウクライナでの停戦を命じた。

ロシア正教会最高位のキリル総主教のクリスマス停戦の呼びかけを踏まえた措置という。

ウクライナゼレンスキー大統領は5日、ロシアのプーチン大統領が命じた一時的な停戦に否定的な姿勢を示した。

ゼレンスキー氏は5日夜公開したビデオ演説で「ロシアはドンバスにおけるわれわれの兵士の前進を食い止め、武器や戦力をわれわれの拠点に近づけるためにクリスマスを隠れみのとして利用しようとしている」と批判。

ロシアが侵略を終わらせることが終戦を意味するとし、「ロシア兵士がわれわれの土地にいる間、戦争は続く。ロシア兵が去るか、われわれが彼らを追い出したときに戦争は終わる」と強調した。

ウクライナ大統領府のポドリャク顧問も、プーチン氏による停戦提案を「偽善」と述べ反発。「ロシアが占領地から撤退して初めて『停戦』が可能となる」として拒否した。

これに先立ち、ロシア正教会のキリル総主教がウクライナ側にも停戦を呼びかけていたが、ポドリャク顧問は「皮肉な罠でプロパガンダの要素」と退けていた。

欧州連合(EU)のミシェル大統領はツイッターで「ロシア軍の撤退は平和と安全保障を回復させるための唯一かつ重大な選択肢だ。一方的な停戦の発表は、違法でばかげた併合とそれに伴う住民投票と同じくらいインチキで偽善的だ」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中