何とも言えない味わい深さ──新たに発見された「ナスカの地上絵」の「完成度」
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<山形大学研究グループなどの調査により、「ナスカの地上絵」が新たに168点発見された。有名な「ハチドリ」とは、大きさも絵柄もずいぶん違う姿>
南米ペルーの「ナスカの地上絵」をめぐる謎は、尽きることがないようだ。最近の研究で、ナスカ台地とナスカ市街地付近で新たに168点の地上絵が発見された。発見したのは、ペルーの考古学者らと日本の山形大学の研究グループ。ペルー南部の太平洋沿岸地帯で撮影した航空写真とドローン画像を駆使して、調査を行った。
■【写真】「ハチドリ」とはずいぶん趣が違う、妙にかわいい「ナスカの地上絵」たち
山形大学が発表した声明によれば、新たに発見された地上絵は、平均1.8~5.8メートルの大きさで、ネコなヘビ、シャチやアルパカが描かれていた。ニュースサイト「ビジネスインサイダー」によれば、研究グループはこれらの地上絵について、約2100年前から1700年前に描かれたものだと推定している。
過去に発見された地上絵は最大で約365メートルと大きく、上空からしか認識できなかった。それとは対照的に、今回発見された地上絵は地上からでも見える小規模なものだ。
山形大学は声明の中で、「この地区(ナスカ市街地の近くのアハ地区)では、2014年と2015年に山形大学によって計41点の地上絵の存在が公表されており、これらを保護するためにペルー文化省と共同で、2017年に遺跡公園が設立された」と述べ、さらにこう続けた。「今回の発見によって、この遺跡公園には合計で77点もの地上絵が集中していることが判明した」
破壊の危機にさらされている地上絵
2000年前に描かれたナスカの地上絵が最初に発見されたのは1926年。それ以降、多くの研究者がその謎に挑み続けている。
山形大学は声明の中で、「これらの地上絵は、地表に広がる黒い石を除去して、下に広がる白い砂の面を露出することによって制作されたもの」だと述べている。黒い石がどのようにして除去されたのかは、依然として謎のままだ。
多くの地上絵は上空からしか認識できないため、限られた技術しかなかった古代の人々がどのようにしてこれらの地上絵を描くことができたのかについてはいまだ謎が多く、「宇宙人が描いたもの」という説を信じている人々もいる。山形大学は声明の中で、「今回の研究成果は、ナスカ地上絵の保護活動に利用する」とも述べている。
研究グループを率いた山形大学の坂井正人教授はロイター通信に対して、「一部の地上絵は、遺跡公園内で行われている鉱山関連施設の開発作業が拡大されていることで、破壊の危機にさらされている」と述べた。
ナスカ地上絵の鳥を鳥類学の観点から考察した別の研究では、これらの絵が描かれた理由について、幾つかのヒントを発見した。