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ウクライナ戦争ロシア軍による「子供の拷問部屋」の内部と、そこでの所業が明らかに ウクライナ南部へルソン
ロシア軍が監禁・拷問の場所に使っていたとされる建物(ハルキウ州、2022年9月) Viktoriia Yakymenko-Reuters
<ロシア軍に抵抗したウクライナの子どもたちが連行され、拷問や心理的虐待を受けていたという。その内部の様子とは?>
ウクライナ軍がロシア軍から奪還した南部ヘルソン州で、ロシア軍が占領中に使用していたとみられる子ども用の「拷問部屋」が発見された。内部の様子や、そこで行われていたおぞましい行いの一部も公開され、その非人道的な内容に批判の声が高まっている。
■【写真】解放されたへルソンで見つかった、ロシア軍の「子供の拷問部屋」内部
ウクライナ議会人権委員会のドミトロ・ルビネツは、12月14日に国営通信社「ウクルインフォルム」のメディアセンターで行った記者会見の中で、ロシア軍に抵抗した子どもたちが、これらの部屋に入れられていたと説明。破壊されたロシア軍の装備の写真を撮っていたことを理由に、14歳の少年が拘束されて拷問されたケースもあったとつけ加えた。
ルビネツは「子どもの拷問が確認されたのは、これが初めてだ。拷問部屋はヘルソン地域に全部で10カ所見つかり、そのうち4つは州都ヘルソン市内にあった」と述べ、さらにこう続けた。「このうち1カ所に、子どもを連行する別個の部屋があった。大人用の部屋との違いは、床に薄い布団が敷かれているところだけだった」
またルビネツは会見の中で、拘束された子どもたちはほとんど食事を与えられず、水も1日おきにしか与えられなかったと述べた。さらに子どもたちは、「親はお前を見捨てた」「家には二度と帰れない」などと言われる「心理的虐待」も受けていたと説明した。
「ブチャよりもひどいところがあった」
ニュースサイト「ウクラインスカ・プラウダ(ウクライナの真実)」が翻訳して報じたところによれば、ルビネツは「(大勢の民間人が殺害された)ブチャよりもひどいところはあり得ないと考えていたが、ヘルソンでそれを見た」と述べた。
ルビネツは、子どもたちがどれぐらいの間「拷問部屋」に拘束されていたのかや、拘束されて死亡した者がいたかどうかについては、詳しいことは明らかにしなかった。
ウクライナでは、ヘルソンやハルキウ、ドネツクなど、ロシア軍から奪還された地域で数十の拷問部屋が発見されており、ヘルソンだけでもこれまでに4カ所の拷問部屋が発見されている。ネットメディアの「キーウ・インディペンデント」がヘルソン州の主任検察官であるウォロディミル・カリユガの言葉を引用して報じたところによれば、拷問部屋は、ロシア連邦保安局(FSB)が占領していた拘置所やウクライナ保安庁の旧本部建物、政府庁舎の中にあったということだ。
9月に奪還されたハルキウ州では、ボルチャンスク、クプヤンシク、ベリキー・ブルクやイジュームの町などで、これまでに22カ所の拷問施設が発見されている。