ロシア領内深くの基地を襲ったのはウクライナの国産ドローンか
Photo Shows Destroyed Russian Bomber as Kremlin Calls it 'Minor Damage'
ウクライナ空爆の起点だったロシアのエンゲルス空軍基地(12月4日、衛星画像) Maxar Technologies/REUTERS
<ロシア国内の3つの空軍基地が、2日の間に次々と爆発に襲われた。これがウクライナの奇襲だとすると、戦争は大きな転機を迎えるかもしれない>
破壊されたロシアの爆撃機のように見える画像が、ソーシャルメディアで拡散されている。ロシア政府は、12月5日に無人機によるロシアの空軍基地への攻撃があり、航空機が「軽い損傷」を受けたと発表した。
ウクライナ空軍が公開したこの画像は、モスクワの南東に位置するリャザン州リャザン市近郊のディアギレボ空軍基地で、損傷したツボレフ22M3爆撃機を撮影したものとされている。この画像は、ウクライナやロシアに拠点のある非公式の軍用テレグラムチャンネルにも出回っている。
燃料タンカーの下に血の海
ロシア政府は、5日に起きたこのディアギレボ空軍基地と、もう一つサラトフ州のエンゲルス空軍基地への攻撃について、ウクライナを非難した。いずれも、ウクライナの国境から東約600キロもロシアの内陸にあり、ウクライナ空爆の拠点になっていた基地だ。
ウクライナ政府はこの攻撃を喜ばしいこととしているが、攻撃を行ったとは認めていない。ニューヨーク・タイムズ紙は5日、ウクライナ政府高官の発言を引用し、今回の攻撃に使われた無人機はウクライナ領内から発射されたと報じた。
ウクライナ空軍のツイートにはツボレフ22M3爆撃機と燃料タンクの損傷を示すとみられる2種類の画像が含まれている。燃料タンカーの下には血の海が見える。「ロシア領リャザン。何が起きた?」というコメントがついている。
クルスクで3度目の攻撃
ロシア国防省は、ウクライナが「ロシアの長距離爆撃機を無力化する目的で」ドローンによる2回の攻撃を行ったと非難した。
そして、「ロシア航空宇宙軍の防空システムが、低高度で飛行するウクライナの無人機を迎撃した」と述べている。
同省によると、ドローン攻撃の結果、航空機2機が軽い損傷を受け、3人のロシア軍兵士が死亡、4人が負傷した。航空機の損傷は塗装への「軽微な傷」だったと付け加えた。
だがソーシャルメディアに流れる画像はそれとは違う状況を示している。航空機の背面の一部が爆風で引きちぎられているように見えるのだ。
本誌は画像の真偽を独自に確認することができないため、ロシアの国防省と外務省にコメントを求めている。
さらに6日の朝には、ロシアの別の空軍基地が3度目もドローン攻撃を受けたと報じられた。