ロシア空軍基地に閃光と轟音──ウクライナのドローン攻撃?
Video shows drone strike on Russian base that crippled 2 nuclear bombers
ロシア国防省が公開したTU95とみられる爆撃機 Russian Defence Ministry/REUTERS
<ロシアは「軽い損傷」というが、核兵器搭載可能な戦略爆撃機2機が破壊された、との報道も>
ロシアの空軍基地がドローン攻撃を受けた様子とみられる動画が、インターネット上に出回っている。この攻撃により、核爆弾を搭載可能なロシアの軍用機2機が破壊されたと報じられており、問題の動画はその破壊の瞬間を撮影したものとされる。
ロシア国内の2つの空軍基地――モスクワの南東に位置するリャザン市の空軍基地と中部サラトフ州にある空軍基地――で爆発が報告されたのは12月5日。米政府系ラジオの自由欧州放送によれば、爆発があったサラトフ州のエンゲリス空軍基地はウクライナから約600キロメートルのところに位置しており、ベラルーシの報道機関「ネクスタ」が5日にツイッター上で共有した動画は、その爆発の瞬間を捉えたものとされている。
動画は監視カメラで撮影されたものとみられる。冒頭部分には駐車スペースに数台の車が停まっている様子だけが映っているが、その後、遠くに一瞬大きな強い光が見える。
ネクスタは、この閃光はドローン攻撃によって引き起こされたもので、この攻撃で2機の戦略爆撃機TU95が破壊されたと報じた。「ベア(熊)」の異名を持つTU-95は、核兵器などの爆発物を搭載して長距離を飛行することができる戦略爆撃機だ。
攻撃はウクライナの仕業?
ロシアの独立系メディア「アストラ」もメッセージアプリ「テレグラム」のチャンネルで、匿名の情報源から得た情報として、エンゲリス空軍基地での爆発はドローン攻撃によって引き起こされたものであり、これによって2機のTU-95戦略爆撃機が破壊されたと報道。さらにロシア軍の兵士2人が爆発で負傷し、病院に搬送されたと報じた。
ネクスタが共有した動画には12月5日の日付が入っていたが、本誌はこの動画の信ぴょう性を独自に確認することはできなかった。また動画の内容や、攻撃がドローンによるものだったこと、2機のTU-95が破壊されたことについて、ロシア国防省に確認を求めたが、返答はなかった。
ウクライナは2件の爆発について、直接的に認める声明は出さなかったが、ウクライナのある政府高官が爆発の発生後、ソーシャルメディアにロシアをあざ笑うような投稿を行った。
ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領顧問はツイッターに、「ガリレオが発見したように、地球は丸い。だがロシア政府は天文学を勉強しなかったようだ」と投稿し、さらにこう続けた。「天文学を勉強していれば、分かったはずだ。ほかの国の領空に何かを発射すれば、いずれそれが発射地点に戻ってくるということを」
本誌はウクライナ国防省に、2件の爆発との関連があるかどうかについてコメントを求めた。