フォロワーが1日で100倍に増える注目のなか、私はマスクに嫌われ、ツイッターをクビになった
'Elon Musk Fired Me in a Tweet'
自分の働き口については心配していなかったが、自分と自分がやってきた製品の今後はやはり不安だった。次に何が起こるか分かっている人は誰もいないようだった。
11月13日の午後。私はイーロンが、ツイッターの遅さについて謝っているツイートを見かけた。アプリが遅いのは、1200回もの遠隔手続き呼び出し(RPC)をやっているせいだと彼は主張した。
確かにツイッターはスピードに大きな問題を抱えていたが、原因は全く別のところにある。バックエンドのサービスは通常、通信にRPCを使っているが、これはデータセンター内の非常に高速なネットワークリンクを介して行われる。マスクはいろんな不正確なことをごちゃまぜにしてツイートしているように思えた。まるで意味不明だと私は思った。
マスクが言っていることは間違っていると思った私は、その旨をツイートした。マスクのツイートを引用して「私はアンドロイド用のツイッターアプリに6年携わっているが、これは間違っていると明言できる」と書いたのだ。
深い考えがあったわけではない。私のフォロワーは当時600人ほどで、ほとんどがツイッターの従業員だった。スターバックスに行って戻ってきたら、同僚からメッセージが届いていた。「エリック、『彼』から返信が来てる」
対話の場はツイッター上にしかなかった
「くそっ」と思った。彼には1億2000万人近いツイッターフォロワーがいる。彼への返信ならともかく、引用ツイートまで見るとは思ってもみなかった。
彼は私に、アンドロイド上のツイッターの遅さを解消するためにこれまで何をやってきたのかと問いただしてきた。私はそれに対し、プロフェッショナルで適切な態度で返答したつもりだ。私が認識しているアプリ上の問題について概説し、RPCが原因ではないと思った理由を説明した。
「なぜ公の場であんなことを言った」とみんなに聞かれたが、マスクからのコミュニケーションはすべてツイッター上で行われていた。対話の場所はここしかなかったのだ。
ツイッターで知った解雇
その日のうちに、私は6万人近いフォロワーを獲得した。マスクのフォロワーの1人がツイッターの社員は無料で400ドルのランチを食べている、というようなことを言ったので、私は嫌味ったらしくこうつぶやいた。「100%の価値あり。料理は最高だった。あのゴーストペッパーマヨはすごくおいしかった」
その後、同じスレッドでマスクは私についてこう言った。「彼はクビだ」。その後、マスクはそのツイートを削除した。
私はマスクのツイッターをフォローしていないし、あまりにも多くの通知が来て、すべての内容を把握するのは困難だった。別の同僚が私にメッセージで「エリック、まだオンライン?」と聞いてきた。まだ仕事中だと答えたら、マスクのツイートのことを教えてくれた。私はそこで初めて、自分が失業したことを知った。その数時間後には、サーバーにアクセスできなくなった。ツイッターにおける私の仕事は、そんなふうに終わりを告げた。