「メーガンは正しかった」──英王室幹部が黒人差別で辞任
Meghan Markle 'Vindicated' After William's Godmother Resigns Over 'Racism'
エリザベス女王の葬儀後のメーガン。黒人差別で辞任した宮殿幹部は女王の長年の側近だった(9月19日) Tom Jenkins/REUTERS
<バッキンガム宮殿に招待された黒人ゲストを差別して辞職に追い込まれた宮殿の古株が、エリザベス女王の長年の側近だったことで、王室にはメーガンが言っていた通り組織的差別が存在していたことが証明された>
11月29日にバッキンガム宮殿で開かれたレセプションで、招待客の1人、ンゴジ・フラニが、故エリザベス女王の側近を長年務め、引き続き王室の要職に就いていたスーザン・ハッシーに人種差別的な言葉を浴びせられたとツイッターで告発。ハッシーは翌日辞任する事態となった。
この一件を受け、ツイッター上では「これで英王室の差別体質が証明された」、「メーガン妃の告発は真実だった」といった声が飛び交っている。
ヘンリー王子の妻でアフリカ系の母を持つメーガンは昨年3月、アメリカのTV番組に出演し、王室内で人種差別にあったと語った。これに対しては「よくぞ言った!」とメーガンの告発を支持する声が上がる一方で、彼女の発言を疑い、王室メンバーとしてのヘンリー王子夫妻の自覚のなさを批判する向きも多かった。
夫妻が王室を離脱した後も、王室職員の差別的人事を示唆する文書が見つかるなど、英王室の人種差別疑惑はロイヤルファミリーに対する庶民の不満の一部としてくすぶり続けていた。そこに油を注いだのが今回の一件だ。
「イギリス生まれのイギリス人」に納得せず
フラニはアフリカとカリブ諸島にルーツを持つ女性たちの支援団体「シスター・スペース」の創設者でCEO。DV被害者の救済活動でも知られ、カミラ王妃が国連の「ジェンダーに基づく暴力に反対するキャンペーン」を支援するために開催したレセプションに招かれた。
その会場で、フラニに近づき声を掛けたのがハッシーだ。ハッシーは「あなたはどこから来たのか」とフラニを執拗に問い詰めたという。
フラニがツイッターに投稿したやりとりによれば、フラニは最初、所属を聞かれたと思い、シスター・スペースだと答えた。「そうじゃなくて、どこから来たかと聞いているのよ」と言われ、シスター・スペースの本部があるロンドン東部のハックニーだと答えると、ハッシーは「アフリカのどこから来たのか聞いているの」と詰め寄ったという。
【動画】「あなた本当はどこから来たの」と、イギリス人のフラニに詰問するハッシーとの会話をBBCが再現
フラニは、自分はイギリス生まれのイギリス人だときっぱり答えたが、ハッシーはそれで満足せず、ルーツはアフリカ系とカリブ系だと言わせるまで、何度も同じ質問を繰り返したという。ちなみに、ハッシーはウィリアム皇太子のゴッドマザーでもある。キリスト教の伝統宗派で子供の信仰上の母親の役割をする重要な役目だ。