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公害発がん性指摘の有機化合物「PFAS」、3Mが2025年に製造中止へ
高汎用性の有機フッ素化合物(PFAS)製造で世界最大級の米化学・事務用品3M(スリーエム)は20日、PFAS製造中止期限を2025年に設定した。写真は2017年1月、カリフォルニア州パサデナで撮影(2022年 ロイター/Mario Anzuoni)
高汎用性の有機フッ素化合物(PFAS)製造で世界最大級の米化学・事務用品3M(スリーエム)は20日、PFAS製造中止期限を2025年に設定した。PFASは発がん性や心疾患や低出生体重との関連が指摘されている化学物質。
PFASは分解速度が遅く、飲料水や土壌や食品への深刻な蓄積が近年確認されている。PFASの被害を巡る訴訟圧力も高まっており、先月には3Mと米化学大手デュポンなど数社に対し、カリフォルニア州司法長官が除去費用の補償を求めて提訴していた。
株主からもPFAS製造中止の要求が出ており、今年は運用資産で総額8兆ドルに相当する投資家らが54社に対し、段階的な使用中止を求める書簡を送っている。
3Mによると、PFAS製品の売上高は年約13億ドルで、昨年のグループ全体の売上高の約3.7%相当。利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITDA)ベースの利益率は16%。今年第4・四半期に資産減損などで税引き前費用7億―10億ドルを計上し、製造停止に関わる全体費用は税引き前で約13億―23億ドルと想定している。