プーチンが近づくのを露骨に嫌がる...ロシア「同盟国」アルメニア首相の行動が話題
Armenian Leader Appears To Edge Away From Putin as Leaders Gather for Photo
CSTOサミットに出席したプーチン大統領とパシニャン首相(11月23日) Hayk Baghdasaryan/Photolure via REUTERS
<プーチンの貴重な「味方」であるはずのアルメニアだが、アゼルバイジャンとの紛争でロシアの支援がなかったことに不満を募らせている>
ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会議で、アルメニアのニコル・パシニャン首相が写真撮影の際、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領からあからさまに距離を置こうとしている様子が収められた動画が公開された。パシニャンは、同会議で共同宣言への署名を拒否するなど、ロシアへの不満をあらわにしている。
■【動画】あからさまにプーチンの近くに立つのを嫌がるパシニャン首相
この動画は、アルメニアの首都エレバンで23日に開かれたCSTOの首脳会議で撮影されたもので、米議会の欧州安全保障協力委員会(CSCE)のバフティ・ニシャノフが投稿した。
ニシャノフは「アルメニアのパシニャン首相は、プーチンからできるだけ離れたところに立とうとしている。そしてプーチンもそれに気づいている。ロシアが主導しているはずの安全保障圏の会合で侮辱されるとは」と述べた。
パシニャンは首脳会議の共同宣言について、自国の領土保全に対する「侵略」を行った隣国アゼルバイジャンについての記述がないことを非難し、署名を拒否していた。
東欧メディアのNEXTAが公開した首脳会議の別の映像では、パシニャンが共同宣言に署名をせずに、会議の閉会を宣言する様子が捉えられている。各国首脳と共に会議のテーブルを囲んだパシニャンは、「閉会します。ありがとうございました」と言い、同席していたプーチンやベラルーシのアレクサドル・ルカシェンコ大統領は、狼狽するような素振りを見せた。
CSTOは、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ロシアの6カ国で構成されている。
9月に起きた紛争へのロシアの対応に不満
パシニャンは23日、「アルメニアがCSTOに加盟していながら、アゼルバイジャンの侵略行為を防げなかったことは憂慮すべきことだ」と発言。「今日までに、アゼルバイジャンのアルメニア侵略に対するCSTOの対応について決定に至っていない。これらの事実は、我が国内外のCSTOのイメージを大きく損ねている。これはCSTO議長国としてのアルメニアの重大な失敗と考えている」と述べた。
アルメニアとアゼルバイジャンの間では、9月に紛争が発生し、双方の兵士合わせて200人以上が死亡。2020年に6000人以上が死亡して以来、最悪の衝突となった。