きっかけは閑古鳥が鳴くレゴランド──知事の「徳政令」が引き起こした韓国の信用危機
A Theme Park Crisis
全ては避けられたはず
とはいえ、これらの措置には不合理な側面がある。韓国銀行は猛烈なインフレを抑制するため、昨年末からアグレッシブな利上げを続けており、それが流動性を大きく悪化させている。その一方で、韓国政府は経済の総崩れを阻止するため、市場に流動性を注入しているのだ。
一連の措置は市場の混乱をある程度落ち着かせたものの、まだ危機が去ったわけではない。韓国がモラトリアム(返済猶予)やデフォルトといった国家的な信用危機に陥る可能性の目安となるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは、本稿執筆時点で75.61ベーシスポイントと、過去7年で最悪の水準にある。
江原道の金知事が、自らの措置がどのような影響を及ぼすかを理解していなかったのは明らかだ。
混乱が広がっていた10月24日にも、江原道は保証債務についてデフォルトを宣言したわけではなく、GJCの再建を目指しただけだという声明を発表して、相変わらずこの2つの問題のつながりを理解していないことを露呈した。
結局、江原道は特別予算を組んで、保証債務を全額返済することになった。つまり金がおかしなことを言い出していなければ、この2カ月の混乱は全て避けられたのだ。