「データ共有は10分以内」エアドロップが中国限定で規制された理由とは?
エアドロップ機能は反体制派のツールだったが THOMAS PETERーREUTERS
<11月9日、中国国内で販売するiPhoneのデータ共有に10分間の制限を課したアップル。1年以内に同じ機能を世界で導入するというが、なぜ中国で最初に導入したのか?>
iPhoneの「エアドロップ」は、近くにいる相手のアップル製デバイスと画像などを無線で送受信できるファイル共有ツール。「全ての人」と常に送受信が可能なモードに設定すれば、公共の場などで不特定多数の人とファイルを共有できる。
厳しいオンライン検閲を回避できるため、中国ではこの機能が反体制派の貴重な情報拡散ツールとなってきた。最近も、10月の中国共産党大会の直前に北京市内に一時掲げられた政府批判の横断幕の画像が拡散されたばかりだ。
だがアップルは11月9日、中国国内で販売するiPhoneの「全ての人」への共有に10分間の制限を課した。ユーザーがその都度、設定をオンにしない限り見知らぬ人との共有はできなくなる。
アップルはユーザーが望まないファイル共有の負担を軽減するため、1年以内に世界中に同じ機能を導入するとしている。だが、なぜ今、その機能を中国に最初に導入したのかは明らかにしていない。