ロシア軍のカミカゼ・ドローン攻撃、ミサイルとの違いは?
カミカゼ・ドローン
無人機のドローンは偵察や攻撃のプラットフォームとして使うことができる。だがドローンを武器として使う最も単純な手法は、標的へ向けて飛ばし、爆破することだ。
「カミカゼ・ドローン」とも呼ばれるイラン製「シャハド」などの自爆用ドローンは、1機当たりのコストが小型車1台程度で済む。ロシアはここ数週間だけでウクライナに対して既に何百機ものドローンを投入し、イランから2000機を購入したとみられている。
ドローンは地上からライフル銃で撃ち落とせるほど飛行速度が遅く、大砲の砲弾程度の小さな爆発物しか搭載できないが、何百キロメートルもの距離を飛行することが可能だ。
ウクライナ政府は、ロシアが飛ばしたドローンの大部分を打ち落としたと主張。ゼレンスキー大統領は19日、過去1カ月間で233機のシャハドを打ち落としたと述べた。
だがドローンはコストが安いため、一度に多数を飛ばすことができる。その場合、1機や2機が迎撃をかいくぐって住居ビルの民間人を殺害したり、変電所など各地に散らばっている標的を攻撃したりするのを防ぐのは難しい。
先進の防空システムはドローンの攻撃を阻止するのには適さない。集団飛行するドローン全体のコストが、その1機を打ち落とすために使われる地対空ミサイル1機のコストより安く済むこともあり得る。
一方、ドローン攻撃に特化した防衛システムは、ドローンの飛行の検知・追跡を支援する人工知能(AI)ソフトウエアを搭載、飛来音を「聞く」ことができるセンサーを使って地上からドローンを打ち落とすことができる。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は今週、ドローンを攻撃する兵器をウクライナに送ると述べたが、詳しくは説明しなかった。
(Peter Graff記者)
