最新記事
アップルウォッチ

「私はアップルウォッチに命を救われた」

Man in 'Life or Death' 70mph Car Crash Credits Apple Watch for Saving Him

2022年10月19日(水)22時30分
アリス・ギブス

この事故で意識を失った運転手アップルウォッチが救った(回収後の事故車) 本人提供

<事故の衝撃を検知すると、自動的に緊急通報サービスにつながり、助けを呼ぶ――アップルウォッチの新機能のおかげで救われたという感謝の声がネット上に広がっている>

ニュースサイト・レディットのあるユーザーは、交通事故にあった自分の命が助かったのは、アップルウォッチのおかげだと考えている。

米インディアナポリスに住むこの男性は先日、レディットの投稿で、運転していた車のタイヤがパンクし、車が電柱に衝突したときの話を打ち明けた。

電柱にぶつかった瞬間、車からは煙が立ち上り、男性はハンドルで頭を打った。だが、つけていたアップルウォッチの新しい安全機能により、自分は何もしなくても緊急サービス当局に事故のことが通知され、救助された。

「何千回、何万回と走ったことのある道路だった。深夜だったので、他の車は走っていなかった」と、この男性は匿名を条件に本誌に語った。

知り尽くした道を運転していたところ、突然、衝撃が走った。
「ドーンという音と共に、顔面がエアバッグとガラスでふさがれた。目を開けるとフロントガラスが陥没していた。とっさに思いついてやったのは、エンジンを切るためにスタートボタンを押すことだった」

ほとんど意識のない状態で座っていると、腕につけている新しいアップルウォッチ S8から触覚フィードバックが伝わってきた。

「ウォッチが助けを求めて連絡しているのがわかった」と、彼は言う。「『事故が発生しました』とか 『救助に向かっています』という会話が聞こえた。ウォッチを通して救急医療サービスと直接、話すことができた」

命を救うテクノロジー

アップルウォッチの衝突事故検出機能は、iPhone のiOS16とウォッチOS 8のリリースとともに数カ月前に発表されたばかり。対応デバイスではデフォルトで有効になっている。

この機能は、ユーザーが重大な衝撃を受けたことを感知し、iPhoneまたはアップルウォッチが自動的に警告画面を表示する。ユーザーは画面上の緊急通報をスワイプして起動し、緊急サービスを呼び出すか、キャンセルを選択してオフにすることができる。

10秒経過してもユーザーが何も操作をしない場合は、ウォッチが自動的に緊急サービスに電話をかけ、緊急サービスに対して何が起きたのか、正確な位置を伝えるSiriメッセージを再生する。

時計が自動的に通報したおかげで、事故にあった男性のもとにすぐ救急隊が駆け付けた。
「救助隊の人だと思うのだが、誰かに胸のあたりをこすられて、私は意識を取り戻した」と、男性は言う。「ウォッチが知らせてから10分以内のことだったと思う。もし、ウォッチをつけていなかったら、ずっとそこにいたと思う」

この男性は眼窩骨折と3本の肋骨骨折、多くの切り傷と擦り傷を負った。

「私は回復している。生きているし、明日退院する予定だ。今回の事故からおおいに学んだのは確かだ」と、彼は言う。

「アップルの衝突事故検出検知ソフトは、冗談でも子供だましの仕掛けでもない。この命を救う技術は、250ドルのアップルウォッチSE2022で手に入れることができる。私の時計はシリーズ8だが、衝突事故にあっても1点の傷もつかなかったことを付け加えたい」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米利下げは今年3回、相互関税発表控えゴールドマンが

ビジネス

日経平均は大幅に3日続落し1500円超安、今年最大

ビジネス

アングル:トランプ氏の自動車関税、支持基盤の労働者

ビジネス

2025年度以降も現在の基本ポートフォリオ継続、国
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中