日本の男性の家事分担率は、相変わらず先進国で最低
OECDの原統計には30カ国のデータが出ている。全ての国について上記の2つの指標を全体構造の中に日本を位置付けるとどうなるか。横軸に男性のWLB度、縦軸に家事等分担率をとった座標上に30の国のドットを配置すると、<図2>のようになる。
日本の特異な現状が「見える化」されている。横軸、縦軸とも最も低い。OECD加盟国の中で、男性のワークライフバランス、家庭内での家事分担が最も進んでいない国であることが分かる。「男性の姿はどの国も似たようなもの」などと思ってはいけない。
グラフの右上にある国々は、労働生産性(就業者1人当たりのGDP値)も高い。家族との生活を大事にするため時間内に集中して仕事を済ませる、業務のICT化が進んでいるなど、要因はいろいろ考えられる。コロナ禍の今では、後者は強みとなる。
コロナ禍以降、日本も自宅勤務型になっているが、ここでのデータから分かるように普段とのギャップがあまりにも大きい。家庭内で最も波風が立っているのは日本かもしれない。働き方改革の契機と言われるが、家庭での生活の在り方も見直すべきだ。女性の社会進出と同時に、男性の家庭進出も進めなければならない。後者は、前者を実現するための前提条件となる。
<資料:OECD.Stat(Time Use)>